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第38話

 ホテルに入ると、勢いよく巧さんに抱き付いた。ベッドへ行くちょっとの時間も、待てない。 「もう我慢出来ない?」  ちゅ、ちゅ、と甘いキスが降ってきて、その優しいくちづけに脳が蕩けそうになる。好きだ。 「できない……、たくみさん……」  ちろ、と舌を出して巧さんの唇を舐める。  唇に隙間が空いたら、舌を滑り込ませて歯列をなぞり、上顎を舐める。巧さんの舌が絡んできて、腰に熱が集まってきてしまう。 「んっ、ふっ、……んんっ」  気持ちよくて、頭がふわふわしてくる。  巧さんが、キスをしている間に服を一枚ずつ脱がしてくるので、俺も巧さん服を脱がそうとするけれど、焦ってボタンが上手く外せない。もどかしい。  モタモタしている間に、とっくにキスの主導権は巧さんに移っていて、口腔を好き勝手にされた。  巧さんの少し厚めの舌が、俺の舌に吸い付くのか堪らなく気持ちよくて、腰が跳ねてしまう。  カチャカチャとベルトを外す音が聞こえると、あっという間に俺が履いていたスラックスは絨毯へ落ちる。 「あっ……!」  シャツの上からぎゅっと胸の尖りを摘まれて、思わず声が出てしまった。  巧さんが開発したせいで、ここも立派な性感帯になっている。 「あっ、んっ……、んんっ」  胸の突起を捏ねるように指で押し潰されると、もう声が我慢出来ない。  巧さんに、もっと触って、舐めて欲しい……。 「ひっ、!」  シャツの上から、乳首を食まれる。 「や、たくみさんっ……、んっ、」 「何で? 葵くんおっぱい弄られるの好きでしょ?」 「んっ、すきぃ、シャツやだ、ふっ、直接さわって……」  鼻から抜けたような甘い声で強請る。  布地に擦れるのも敏感になった俺の乳首は刺激を拾ってしまうけど、巧さんに直接触って欲しい。布越しなんか、いやだ。 「しょうがないなぁ、葵くんは」  シャツのボタンを何個か外すと、ぷっくりと腫れたピンク色の乳首が顔を出す。  巧さんの掌が胸を寄せるように添えられて、頂点でふるふると震えるそこに優しく唇を寄せる。  そのままぬるりと舐められると、背骨から甘い痺れが走った。 「はっ、あっ、……っ」  もっとして、と言うように身体を巧さんに押し付けてしまう。 「もう勃起してるね。俺の身体に押し当てるの気持ち良い?」  股の間に巧さんの足が押し入ってきてぐっ、とペニスを刺激される。 「あっ、きもちい、んっ、たくみさん……っ」  乳首を甘噛みされ、屹立を足で刺激されたら堪らなくなって、腰がへこへこ動いてしまった。 「葵くんの腰、動いてるね。可愛い」  揶揄うように言われたかわいいでも、俺のお尻がきゅんと疼く。  あっ、もう、やだ……、どこも気持ちいいし、どこも巧さんに触ってほしい……。

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