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第62話 ※桐藤巧視点
松平がイチャモンを付けてきた日を思い出していたらイライラしてきたので、煙草に火を点ける。
松平が動きを見せないから、俺は事務所でせっせと煙草の吸い殻を山盛りにしているしかない。
葵くんに暫くは会えないと伝えた日からまだ数日しか経っていないけど、もうすでに耐えがたかった。
最近は携帯で葵くんの居場所を確認するのが日課になりつつある。
GPSを仕込んだ時は、何かあった時のためだから普段は確認しないと自分を戒めていたが、一旦見るようになったらもう駄目だ。
ついつい空いている時間があれば、確認するのが癖になっている。
葵くんは相変わらず自宅から動いていないみたいでほっとする。
これでもしラブホテルなんかに居たら、俺は正気で居られるのかが心配だ。
あの日から、葵くんも連絡してくることは無かった。
きっと俺に気を使ってくれてるんだろうけど、少し寂しい。
でも、やり取りをしてると葵くんに会いたくなってしまうだろうから、ちょうどいいのか……。
事務所を後にし、自宅に戻ると葵くんからメッセージが着ていた。
年甲斐もなく嬉しくなってメッセージを確認する。
「っ!?」
そこには葵くんが寝そべり、上半身を晒している画像が送られてきていた。
え? 誤送信? 何だこのエロい写真?! いや、誤送信だったらもの凄く腹立つけど。
俺が熱心に開発しているおかげで、写真に写る葵くんの乳首は、最初の頃に比べると少しぷっくりとして大きくなっている。感度も良いし、色も綺麗なままだし、流石葵くん。
俺が育てましたってシール貼っておこうかな。いや、そんなことしたらキモがられるわ。
じっくりと送られてきた写真を堪能したいが、それは後でも出来る。
写真を保存し、数分前に送られてきたからまだ起きているであろう葵くんに、電話を掛けた。
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