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第64話
『じゃあ大人じゃないと出来ないこと、する?』
ごくん。物欲しそうに喉が鳴る音が、自分が思っていたより部屋に響いた。
『さっきまでどうやってたの? 教えて?』
「……さっきまでは」
のろのろと服をたくし上げる。巧さんに散々弄られて開発された乳首は、期待するようにつん、と上を向いていた。
さっきまで全然気持ちよくなかったのに! 巧さんに見られているだけでこんなに興奮するなんて絶対おかしい……!
「ん、巧さんが、いつもするように、こうやって……」
指の腹でまわりをなぞってから、先端をきゅっと摘むと思わず「ぁっ、」と小さな声が出る。うそ、気持ちいい……。
『ここ、一人で弄ってて気持ち良くなっちゃったの?』
「……ち、違うんです! さっきまで気持ちよくなかった」
『そうなの? でもほら、もう一回触ってごらん』
巧さんに言われるがままに、もう一度胸の突起に刺激を与える。
「あっ……」
『今は気持ち良さそうだけどなぁ』
巧さんの言葉が耳元で言われてるような錯覚に陥る。
それだけで、胸だけじゃなく下半身にも熱が集まってくる。
「巧さん、触って……」
『良いよ。ほら、葵くんせっかく乳首でも気持ち良くなれるんだから……ぎゅって摘まれるのも、ぐりぐり押し潰されるのも好きだよね?』
巧さんの言葉通りに指を動かすと、あられもない声が口から洩れる。巧さんの指じゃないのに、巧さんに犯されている。
「ふっ……、んっ……」
『噛まれるのも好きだよね。それは今度たくさんしてあげる』
「は、はい……それもすき、んっ……、巧さん、下も……」
スマートフォンの位置をずらすと、勃起して布を押し上げている自分のものが映る。
『気持ち良かったんだね。下も脱ごうか』
緩慢な動きで、履いていた寝巻きのズボンを脱いだ。
下着姿になると、先走りで布の中心の色が変わっていて、恥ずかしい。
『もうぐしょぐしょだね』
「巧さん、言わないで……」
『ふふ、脱いで葵くんの可愛いとこ、俺にたくさん見せて?』
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