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第66話

 朝目が覚めると同時に、物凄い後悔に襲われた。  俺、何やってんの……!!  巧さんに変な写真送って、あまつさえテレフォンセックスするなんて……!  いや、ていうかあれはセックスじゃない。俺のオナニーを見られただけだった……。  俺が賢者タイムに襲われていると、巧さんは後ろは良いの? とかなんとか言って揶揄ってきたので、俺はしません! 大丈夫です! と断るとそのまま会話が色っぽさのかけらもない雑談にシフトしていった。  電話していた時は、一種の興奮状態だったから気にもしなかったけれど、今思うと巧さんの性器が反応していたかどうかすらわからない。一人で気持ちよくなって視姦プレイを強要したのかと思うと気が重い。変態じゃん……。  電話って不便だ! 不満が募れば募るほど、巧さんに会いたくなった。  スマートフォンを確認すると、まだ午前中で、いつも起きる時間よりだいぶ早い。  二度寝する気にもならなくて、溜まっているメッセージを返信するためにアプリを立ち上げた。  画面の一番上に並んでいるアイコンと名前を見て、目を見開く。  あれ、俺、今寝惚けてる?  目を擦っても、画面は変わらない。  一番上に表示されているアイコンは華恋(かれん)ちゃんの写真で、華恋ちゃんの名前。タップしないでも確認出来る短いメッセージは、「近々会える日はありますか?」だけだった。  華恋ちゃん。どれだけ連絡しても繋がらなくて、最終的にはタワーの掛けを払わず飛んだ俺の姫だった。

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