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第77話

 何で店長から? 俺何かやらかしたっけ?  考えても思い当たる節はないので、店長に一言メッセージを送る。  巧さんに連絡しようとすると、店長から電話が掛かってくる。  え、まじで何だろう………恐る恐る電話を取った。 「あ、蒼くん? おはよ〜」 「おはようございます、どうしたんですか?」 「いやいや、それこっちの台詞だから。何かよく分かってないけど、蒼くん大丈夫?」 「? はい、大丈夫です」  「今から病院行くから保険証持って三十分後家の下降りてて〜。てか保険証持ってる? あっ、住所知らないから送っといてね!」 「持ってますけど、病院行くほどでも……」  ふと鏡で顔を確認すると、暴力を振るわれたところに青痣が出来ていた。  えっ、思ったよりヤバい。これ今日出勤出来るかな? 昨日はアドレナリンが出でいたからか痛みはあまり感じなかったけれど目視した途端患部が痛みを訴えてくる。 「何かあったら怖いし、見てもらうだけだから。てか病院行ってないって言ったらオレ桐藤に殺されちゃう〜」 「え? 巧さんが?」 「も〜、明け方家にいきなり来て何事かと思ったよね。そしたらいきなり蒼くん病院連れてけとか言い出すしさ〜、人使い荒すぎなんだけどマジどうにかしてほしい」 「すみません……、俺が巻き込まれたばっかりに……」 「いやいや、謝るのは桐藤の方だからね? まあとにかく準備して待ってて〜」  何が何だかわからないうちに電話が切られる。とりあえず店長に住所をメッセージで送った。  そうか、巧さんが店長にお願いしてくれてたんだ。店長には申し訳ないけど、大事にしてもらえてる感じがしてちょっと嬉しい。  そういえば俺巧さんに住所教えたっけ……? 普通に気づいたら家着いてけど。寝ぼけてて覚えてないだけかな。まあいっか。

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