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第88話
「ひっ?!」
ぬるりとした感触がお尻から伝わる。
「えっ、ちょ、たくみさんっ!!」
ほぼ悲鳴のような声が口から出た。待って、ちょ、え? 舐められてる?! お尻を?! うそ!!
後ろを振り向くと自分のお尻の向こう側に巧さんの顔が見えて、羞恥で死にそうになった。
「どうしたの、葵くん」
「た、たくみさんのばかっ! やめてください!」
「えー、酷い言われよう」
クスクス笑うけれど全く動かない巧さんから、逃げようと身を捩る。だけど巧さんによってすぐに元の位置に戻された。
「逃げないでよ、葵くん」
「や、やだ、汚いからやめてください……たくみさん、おねがい……」
そんなところを至近距離で見られるのも、ましてや舐められるなんて恥ずかしくて死ぬ。
何回もセックスしてるけど、今までこんなことされたことないし!!
「泣きながら懇願されるのって、逆に燃えない?」
「ひ……っ」
巧さんの性癖って、やっぱわかんないよ……!
さっきはおねがいって言われたら何でも聞きたくなるって言ったのに……。
しわを丁寧に伸ばすような舐められると、だんだん力が抜けてくる。その隙を見逃さず、にゅると舌が入り込んだ。
「あっ、ひんっ、……なめちゃやだ、たくみさ……!」
指とは違う感覚に、浅いところを犯される。
違う、そこじゃなくて、もっと深いところを触ってほしい。もっと巧さんのものでいっぱいにしてほしいのに。
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