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第91話

 目が覚めると、知らない天井を見上げていた。  ああ……ここ巧さんの部屋……。  昨夜は意識を飛ばすまで何度もお互いを求め合った。そのせいか身体はものすごく怠いけど、心はふわふわと浮いてっちゃうように軽い。ふふ、嬉しいな。  巧さんの抱き枕にされている今の状態じゃ起き上がることもできないので、巧さんの寝顔を観察することにした。  そういえば、巧さんが寝てるとこ初めて見たかも……。  なんだか俺に気を許してるみたいで、嬉しい。寝顔もかっこいいなんて反則だ。  巧さんの寝顔を見ていると、好きで心が埋め尽くされる。ずっとそばにいたいし、いてほしい。  あまりにもじっと見すぎたのか、巧さんの目がぱちりと開く。 「あっ、おはようございます、巧さん」 「ん、おはよう葵くん」  そう言って巧さんの顔が近づいてきてくちびるを合わせるだけのキスをした。  寝起きの掠れたセクシーな声も相まって、さっきまであんなに怠かった身体が昨日の熱を思い出す。   「朝からそんなエッチな顔してどうしたの」 「……巧さんこそ」 「うん、葵くんにまたエッチなことしたいって思ってるからかな?」  すぐ顔に出てしまうのが恥ずかしい。でも、巧さんだって朝からそんな色気を振りまかないでほしい!  巧さんの腕に力がこもる。身体が密着すると、すでにかたくなっている巧さんのものと、自分のが擦れた。 「あんっ……」 「葵くん……」  さっきは触れるだけだったキスが、今度は唇に喰らいつくような性急なキスに変わる。  口腔に侵入してくる巧さんの舌に、自分の舌も絡ませあうと全身の熱がぶり返してくる。  巧さんの腕が臀部まで下りていき、指を窄まりにあてる。 「まだやわらかいね、すんなり入る」 「ん……」  巧さんの指が、ゆっくりとなかを探るような動きをする。だけどそれだけじゃたりない。  シーツの中でごそごそと動き、巧さんの屹立に手を伸ばした。何度か竿の部分を手で擦ると、先走りで手がぬるぬるしてくる。 「もういれて、巧さん……」  窄まりに先端をあてがうと、ゆっくりと巧さんが腰を進めてくる。  じわじわと内壁が巧さんの形に拡げられていく。 「気持ちいいね、葵くん」 「んっ……きもちいいです……っ」 「はあ、ずっとこうしてたい」  巧さんのものがぴったりとおさまると、そのまま何度も唇を重ねた。

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