16 / 34
第16話
貴史と橋田くんを探してロビーに出る。
何処だろう。連絡して聞いてみようか。
そう思って携帯を取り出す。
「あ、社長さんですか?」
丁度、追加の料理を持って来た中居さんに声を掛けられた。
「はい、そうですが?」
何だろう。携帯を一旦片付け、聞き返す。
「社員の方が具合を悪くされたと言う事で、客室に通させて頂きました」
「ああ、そうなんですね。申し訳ありません。有難うございます」
貴史の事だろう。そんなに悪いのだろうか。病院に連れて行くべきか。心配だ。
「ちょっと横になって落ち着かれたら良くなると思いますので、心配なさらない様にと橋田様から言付けををお預かりしました」
「確かに承りました。部屋は何方になりますか?」
「ご案内します」
橋田くんを信用してない様で申し訳ないが、貴史は他でもない俺の秘書だ。他人に預けたままと言うのは居心地が悪い。
それに本当に大丈夫なのか。
容態次第では医者を呼んだ方が良いかも知れない。
ちゃんと俺が止めれば良かった。
そう後悔していた。
「此方でございます」
椿の間と言う部屋の前で立ち止まり、部屋のドアをノックする中居さん。
「社員さんがお見えになりました」
そう、中に声を掛けている。
「はい」
中から橋田くんの返事が聞こえ、それを確かめた中居さんが部屋の扉を開けてくれる。お辞儀して中に通させて貰った。
中居さんもお辞儀し、部屋の扉を閉めると静かに立ち去る。
月明かりが照らす部屋は薄暗い。電気は点けていなった。
一組敷かれた布団で貴史が眠っている。
「今、寝た所なんです。泣き疲れてしまったみたいですね」
クスっと微笑む橋田くんの笑顔が見える。
哭き疲れた?
「橋田くん、貴史に何をしたんだ?」
思わずカッとなり、布団に手を掛けた。
「落ち着いてください。何もしてませんよ」
小声で言い、俺の手を掴む橋田くん。
「今、寝た所なんです。起こさないであげてください」
そう制される。確かに疲れて眠ってしまっているなら起こすのは可愛そうだ。
チッと舌打ちし、布団から手を離した。
「飲み過ぎていたので、無理矢理口に手を入れて吐かせました。それから少し説教しました。いくら幸久さんの為とは言え、具合が悪くなる殆ど呑むのは危険ですし、それでアルコール中毒にでもなっていたらどうするんですかと、少し声を荒らげたので…… でも酒なんて無理して呑む物でもないですし、飲み比べる物でも無いですし……」
橋田くんは話しながら落ち込んだ表情になる。
「そうだよな。君は貴史を心配してくれたんだな。有難う」
橋田くんは本当に貴史を心配してくれたらしい。彼まで涙目になってしまっている事に気付いた。
不埒な事を考え、彼を疑ってしまった自分を殴りたい。
橋田くんの頭を撫でる。
「俺も、もっと注意していれば良かったな」
「そうですよ。俺は楽しんで飲めるタイプですし、別に酔わないですし、リミッターは解っているので無理はしないです。貴史さんはどうも僕をライバル視している様で…… 幸久さんも悪いんですよ! 貴史さんが好きならちゃんと告白して早く貴史×幸久でも幸久×貴史でも良いので収まって下さいよ! 僕だって別に当て馬でも良いんですけど、このままだと本気になっちゃいます。二人共可愛いんだもん」
ポロポロ泣き出してしまった橋田くん。どうしようとオロオロしてしまう俺。
半分ぐらい何を言っているのか解らないらない。
俺と貴史で掛け算をしてどうなるんだろう??
「えっと、えっと、橋田くんは当て馬じゃないぞ! 俺の種馬だろ?」
俺も何を言っているんだろう。
「貴方は貴史さんの種馬か、もしくはメス馬です!」
多分、これは橋田くんも何を言い出しているのか解っていないやつだ。
お互い殆ど酔っぱらいで頭で考えられなくなっているのかもしれない。
「えっと、おっぱい揉む?」
元気がない雄におっぱい揉む?って聞くと元気が出るらしいと、何処かから聞いた気がする。多分ママだ。
『幸久ちゃんは雄っぱい大きいわね。揉むと元気が出るわ〜』
とか言っていた気がする。
「貴史さんの雄っぱい大きいですよね」
浴衣の前を開かれ、モミモミと胸を揉みだす橋田くん。
「どうだ? 元気になるか?」
「そうですね。元気になりますよ。主に下半身。この雄ぱいでパイズリ出来そう」
「試してみるか?」
「良いんですか?」
貴史をスッカリ忘れて盛り上がってしまう。
だって橋田くんのチンチン大きいくて興奮しちゃうんだ。
橋田くんは雄ぱいで元気になるなら、俺はチンチンで元気になってしまうタイプの雄なんだ。
「わぁ、すごいですよ。本当おっぱい大きい」
橋田くんの熱い陰茎が胸板を擦る。
もう固い。舌を出して舐めてあげる。
「ん…良い。イイです幸久さん」
「俺も…… 橋田くんのチンチン好き!」
暫く二人でパイズリを楽しんだ。
ともだちにシェアしよう!