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第18話

「アッ……好き……好き」  耳に甘い声が聞こえて、目を開ける。  薄暗い中で何かが動いていた。  月明かりに照らし出されたのは……  え? 夢??  どういう状態なのかを認識するまでにかなりの時間を要した。  俺を跨いでよつん這いになっている幸久がアンアン喘いでいるのである。  何事なんだ!?  兎に角、起きているとバレるのは何だか悪い気がして目を瞑り、眠り続けている振りをしてしまった。  でも気になって、薄目で見てしまう。  幸久可愛い。エッチな顔してる。えろい! 「ほら、あまり大きな声を出さないで下さい。貴史さんが起きてしまいますよ」  そう幸久の耳元で囁くのは橋田だ。   下に視線をうごかせば、大きい橋田のモノが幸久に出入りしてるのが見える。 「アッ、アッ、ゴメ、ごめんさい。貴史、アッ、ダメぇ〜」  ビュビュと吐き出される幸久の白い液体が俺の腹を汚した。 「あーあー、貴史さんの浴衣を汚してしまうなんて最低ですね」  橋田がそう幸久を責める。 「ごめん、ごめんなさい」 「貴史さん、これ、本当に起きてないんですかね?」 「ヒエッ…… 嫌だ。貴史、起きちゃうの嫌だぁ〜」  声から幸久は怯えている様だ。俺が起きると困るらしい。  寝たフリを続ける。 「ウウ〜、アッ、気持いい、アッアッ」  激しく橋田に突かれ、幸久は気持ち良さそだ。 「おや、貴史さんの陰茎、立っちゃってますね」 「ふえっ!?」  しまった、興奮してしまった。 「汚してしまったお詫びに舐めて差し上げたらどうですか?」   なんて事を言うんだ橋田! 「うあっ……ッ……」  ヌルリと生温かいモノを感じると思ったら、柔いモノが俺のモノを包んでくれる。  慌てて声を抑えた。  「貴史さん起きちゃいましたかね?」 「ンン…ファ…はうぅ」 「どうやらまだ起きてない様子です」 「おふっ、ンン…チュ」  誤魔化せたらしいが、俺の下半身がもう駄目だ。  本当に幸久相手だと早濡過ぎる。 「うあっン……」  声を抑えきれず、漏らしながら達してしまった。  幸久の口の中でしてしまった。 「貴史、気持ちよかった?」  うん、気持ちよかった。 「アッアッ、気持いい。橋田くん、好き!!」 「僕も好きですよ」  二人とも愛の告白をしあっている。  ああ、悲しい。  何で俺を跨ぎながらセックスして、愛を確かめるあっているんだ。  胸が痛い。 「貴史?」   我慢出来ず、涙が溢れ出してしまう。  寝返りを打って布団に顔を押し当てて隠した。  だが、幸久に気付かれてしまった様だ。  一番最悪なのは、二人のセックスに興奮している俺自身だ。 「貴史、起きてるのか?」 「絶対起きてますよね貴史さん、もう隠せませんよ?」  二人で何故気付かない振りしてスルーしてくれないのだろうか。  残酷過ぎる。 「……セックスするならもう一組布団をしいて下さい」  もう寝たフリしてても仕方ない。  涙を拭いて起き上がる。 「いえ、私は戻りますのでお二人で使って下さい」  起きてみると、調子も悪くないし、もう戻ろう。 「だいぶ顔色も良いですし、立つと言う事は酔もだいぶ抜けたでしょ?」  橋田はニコリと笑顔を見せる。 「はい、お世話様でした」  作り笑顔も引きつってしまった。  よくも俺から幸久を取らないと言っておきながらもこんな事が出来るな。良い奴かと思ったが勘違いだった。  ただのクソ野郎だった。 「貴史、行かないで。3人でしよう」 「え?」  「約束しただろ?」  浴衣の裾を掴んで引き止める幸久。  確かに約束したが…… 「二人は愛し合っているんでしょ? 私はお邪魔じゃないですか」  そう言う性癖だとしても、流石にそこまで付き合いきれない。 「え?」 「え?」  キョトンとする橋田と幸久。  え? じゃない! 「好きだ、僕もとか言ってた癖に」  知りませんみたいな顔しやがって! 「ああ、違いますよ」  「誤解だ!」  クスクスと笑う橋田に慌てた様子の幸久。  俺は首を傾げる。 「聞き間違いだとか誤魔化す気ですか?」  そんな言い訳聞きたくない。 「幸久さんは僕のデカチンが大好きで、僕は幸久さんのアナルが気持ちよくて好きって言ったんですよ」  フフフっと笑いながら言う橋田。 「セックスの最中の好きなんて大抵はそう言う事ですよ。ね」  そう幸久に同意を求めて、幸久も頷く。 「奥まで突いてくれるから気持ちよくて……」  そう恥ずかしげに呟く。 「あ、貴史の美チンも好きだぞ」 「え、はい、有難うございます?」  手を握って言う幸久だが、ビチンとは何だろう?  兎に角、誤解だと解ってホッとしている自分が居た。 「貴史さんのはソコだけじゃないでしょ?」  そう橋田が笑う。  何だろう。 「うん、アナルも気になる」 「えっ!?」  アナル!? 俺の!? 「違うでしょ!!」  橋田は幸久の背中を軽く叩く。  え!? 違うのか!?  どっちなんだ!? 「幸久さんは貴史さんが好きなんですよね!!」 「う、うん。貴史すき!」  強い口調で言う橋田に頷く幸久。どう見ても言わされた感だ。 「有難うございます。嬉しいです」  フフっと笑ってしまう。幸久にもだが、橋田にもだ。やっぱり橋田は良い奴だ。クソ野郎だと思ってしまって申し訳ない。 「じゃあ貴史の処女アナル俺にくれる!?」 「え!?」  何て?? 「ごめんなさい貴史さん。幸久さん、思いの外酔が回っているみたいですね」  もう!! とバシバシ橋田が幸久の背中を叩く。可哀相だからやめてあげてほしい。  でも幸久は「アッ、アッ」と気持ち良さそうにしているから、そういうプレイなのか。  よく解らない。  橋田は何か幸久の耳元で囁やき、幸久はコクコク頷いている。  俺の前でナイショ話しは止めて欲しい。 「貴史、俺、貴史が好き!」 「私も幸久が好きですよ」  抱きついて来る幸久を抱きしめる。 「じゃあ、僕、一旦抜けて会長に話をしてきますから、二人は仲良く激しく営んでてください」  橋田はそう言うと身なりを整えて部屋を出て行く。 「貴史、エッチしよー」  幸久に押し倒させれ、キスをされる。  そう言えばさっき橋田にキスの仕方を教わったなと、思ったが、全然思い出せない。結局キスで幸久からリードを奪う事は出来なかった。

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