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第24話 社長と秘書で玩具を選ぶ
水族館からの帰り、俺は貴史を大人の玩具の店へ案内した。
「いらっしゃいませ田中社長様」
俺はここのVIPだ。店員がVIPルームに通してくれる。
「新作は……」
「いや、今日は俺のじゃない。初心者用の物を頼む。コレに似合う上品なヤツが良いな」
新作も気になるが、俺に紹介する様な玩具となるととてつもなくグロテスクでやたらエッチなモノになってしまう。初心者の貴史が見たらドン引きしてしまって逃げ出してしまうかも知れない。
貴史はと言えば落ち着かない様子で縮こまってしまっている。此方を見ては挙動不審に視線を反らす事を繰り返していた。
「田中様がパートナーを連れていらっしゃるとは珍しいと思ったのですが、美人な方ですね。色など合わせたいので服を脱いで頂けますか? ご試着等も出来ますよ。プレイルームのご用意も致しましょうか?」
店員はやたらテンション高めに言ってくる。
「えっ、服を脱ぐのですか? ここで? 試着?? プレイ??」
貴史は混乱した様子で此方を見つめて来る。
さっきは店に行って練習するなんて言った癖に凄いビビっている。
「いや、オススメのモノを並べてくれ。試着もプレイルームも結構だ」
監視カメラで見られている中、貴史を裸にして玩具を試させるなんて鬼畜な事出来る訳ない。それに、貴史の肌の色なら俺が熟知しているから大丈夫だろう。
「かしこまりした」
店員は見るからにテンションを下げつつ一端部屋を出た。
絶対監視カメラの映像を見て楽しんでるな此処の店員。
俺は見られるのも結構好きだし興奮するから良いが、貴史は絶対誰にも見せたくない。
取り敢えず立派なソファーに座って待つ。
貴史はやっぱり落ち着かないのか挙動不審である。
少し落ち着いて欲しくて肩を抱き寄せた。
「ぴゃあ!!」
めっちゃ驚かせてしまった様だ。
「すみません、慣れなくて……」
「慣れられてたら困る」
初々しい態度の方が可愛いし、安心する。
「君は女性とする時も玩具とか使わないのか?」
「え? はい。そうですね」
「そうだよな」
使わなそうだもんな。使っていたら逆に驚く。
「女性とする時はどうしてるんだ?」
興味本意で聞いてみる。貴史とこんな下世話な話題になる事はまずない。貴史の性活が気になっていたのだ。
「えっと、膣に入れます」
「それだけか?」
「胸を揉んだり、キスしたり……」
「最低限のセックスって感じだ」
「つまらないでしょうか?」
シュンと、落ち込んでしまう貴史。貴史らしいセックスだと思う。俺も女性とする時は最低限の事しかしないしな。いつもセックスがつまらないと言われてフラれる。
「貴史もセックスがつまらないと言われてフラれる口か?」
「え? 私は愛が感じられないと言われてフラれます。セックスは気持いいと言って喜んでくれますよ?」
「ああ、女性は演技してるんじゃないか?」
「え? 嘘。私、セックス下手くそですか??」
貴史は更にシュンと落ち込んでしまう。
我ながら吃驚する程酷い事を言っていると思うが、貴史がもう女性と付き合わなければ良いと思う。
「おまたせしました」
店員が何個か玩具をセレクトして持って来てくれた。
「貴史、見て。どれが気になる?」
並べてくれた玩具を貴史に見る様に促した。初心者と言うことから可愛い見た目のものを揃えてくれている。色も、そんなにどぎつく無いのを選んでくれているし、変なイボが付いていたりしてないオーソドックスな形のものばかりだ。
貴史は何に興味を持つか、興味がてら聞いてしまった。
「えっと、えっと…… こ、これは何ですか?」
貴史が指差したのはアナルパールだ。
ピンクの丸が5つ連なっている。
細くて長いやつだ。
「これはアナルパールだ。お、動くやつだぞ」
スイッチを入れると、ブーブーと振動しだす。スイッチで切り替えられる様だ。細かく振動したり、大きく振動したりウネウネ動く。
貴史は顔を真っ赤にしてしまった。
「どうする? 動くやつと動かないやつどっちがいい?」
「う、動かないのが良いです」
「そうなるとこっちか? スケスケだから貴史の中が丸見えになりそうだな」
「ヒエッ…」
あまりに恥ずかしくなってしまったのか、玩具に背を向ける貴史。
「社長がお好きなモノを選んで下さい」
そう言うと椅子に座って大人しくなってしまった。
虐めすぎてしまったみたいだ。
「じゃあ、これとこれと、一式頼む」
取り敢えず初心者用の物を選んだ。
「アナル拡張だけで宜しいのですか? 尿道や乳首等を虐めるモノ等もご用意しましょうか? セクシーな下着やコスプレ等……」
「あ、いや、今日はこれだけで良い」
店員は楽しげに勧めてくるが、椅子で大人しくなってしまった貴史は、え? え? 尿道? 乳首?? ってなってしまっている。ちょっと震えちゃってる。
流石に興味は有るが、可哀相だ。
今日はこれだけで会計する。
「さて、早速使ってみようか?」
可愛く包んで貰った卑猥な玩具をまるでサンタさんからのプレゼントかの様に喜ぶ俺。
「はい、あの、宜しくお願いします」
恥ずかしげに顔を染めている貴史は頭を下げた。
「安心して身を任せてくれ。俺は経験者だからな安全に君を開発してやるからな」
「あの、お手柔らかにお願いしますね?」
貴史は少し肩を震わせている。俺はその肩を抱き寄せた。
店を出たその足で貴史のマンションへ向かうのだった。
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