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第7話

「うーん……」 隣で、身動きして、目を覚ましたらしき男は、会社の後輩の栃木だった。  俺は、こいつと犬猿の仲だ。  同じ課で、もう三年いっしょに働いている。  表面上は仲よくしている。そこは大人だから。だが俺は、こいつが嫌いだ。  理由は簡単。こいつは、顔が良く、気がきいて、仕事も何ごともソツなくこなし、ひとことで言えば、つまり、イケメンだ。  俺はと言えば、昔は、そこそこイケメン有名人に似ているとか言われたこともあるが、その有名人はとっくに消えたし……。そんなことはどうでもいいが、とにかく、気にいらねえんだよ!  そんな俺の隣に寝ているというのに、この男は、平気な顔をしている。  どうやら、また眠ってしまったようだ。今なら、こいつの首を絞めることだってできるのに、いや、面倒なのでそんなことはしないが、安らかな顔で、こいつは、どうして眠っていられるのだ!  殺意を抱く男の横で、素っ裸で眠れるとは、たいした度胸だ。  ほんとに素っ裸なのか? 俺は、ふとんの中をのぞいてみた。 「ギャー!」 声をあげたのは俺だ。 「どうしたんですか……」 俺の叫び声で、隣の栃木が目を開けた。

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