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第2話 ハレの日に ②

式が始まる時間となり、リハーサルをしたとは言え多少たりとも真司と蓮は緊張する。 やっぱり蓮も緊張するんだ。 隣で緊張している蓮の手を真司はキュッと握り、蓮を見つめると、すこし驚いたように蓮が真司を見つめ、そして安心したかのように微笑んだ。 「真司、プロポーズしてくれて、ありがとう」 「蓮、俺と結婚してくれて、ありがとう」 2人は気持ちを伝え合うと、先ほどまであった緊張が自然と幸福な気持ちに変わっていく。 「それでは、新郎達の登場です」 マイク越しに聞こえた野宮の声で、2人は大木まで続く白いカーペットの上を、手を繋ぎながら登場する。 「おめでとう!」 「おめでとうございます!」 真司と蓮が参列者達のそばを通るとき、参列者から、白い花びらのシャワーが浴びせられた。 こんな演出、予定してなかったのに…… そう思いながら椿のそばを通ったとき、 『驚いた?』とでもいいそうな表情で、椿がウインクをした。 「椿…」 椿の意図を汲み取った蓮が嬉しそうに呟く。 大木の下まで辿り着いた2人は、野宮の進行のもと 結婚の誓いを2人で読み上げ、 椿手作りのリングピローから受け取った指輪を、互いの左手薬指にはめ…… 「それでは、ここで参列者様に見届け人となっていただき、『パートナーシップ宣言書』にサインをしていただきます」 野宮の合図で椿が宣言書を運んできた。 パートナーシップ宣言書。 これで、はれて蓮のパートナーとして世間にも認められる。 真司の胸に幸せが込み上げてきて、今までの出来事が脳裏に浮かんだ。 2人が出会ったのも、蓮と結ばれたのも、気持ちをぶつけ合えたのも、奇跡のようなもの。 だって、本来であれば住む世界が違った2人。 お互いがお互いのことを同じ気持ちで好きになれたのも、共に未来を過ごしていきたいと思ったことも奇跡だ。 今はまだパートナーとしての申請だけれど、これから先、婚姻届が出せるような世の中になってほしい。 俺や蓮のような人達が、もっと住みやすい世界になってほしい……。 真司は蓮を見つめると、蓮も真司を見つめ…… 互いにペンを取ると、 「愛してるよ、蓮」 「俺も愛してる。真司」 清々しい風が吹き周りの草花が揺れる中、大木からの木漏れ日の下で、真司からサインをし、その後に蓮もサインをした。 そして、書き終えた申請書を野宮に手渡すと、野宮は申請書を参列者に見せ、 「ここに2人がパートナーとして誓いを立てたことを、宣言します」 と、嬉しそうに声を上げ、閉会となった。

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