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第3話 ハレの日に ③
その後、同じガーデン内での1.5次会となった。
快晴のイングリッシュガーデンは、ハーブや草花の香りが、2人を祝福しているかのよう。
1.5次会には両家の親族。
蓮は仕事場でカミングアウトしていたが、またカミングアウトしていなかった真司も打ち明け、
参加者には真司の会社の人や、蓮と同じチームの人たちが集まった。
そして1.5次会の司会は松野と大山がしていた。
「それでは、初めに新郎達からのスピーチとさせていただきます」
松野のこの言葉で、会はスタートした。
真司と蓮は2人顔を見つめ合い、参加者の方を向くと、真司がマイクを手に取った。
「本日、私達のためにお時間を割いていただき、ありがとうございます。今日という日を迎えられてのも、同性婚を受け入れてくださった皆様のおかげです」
そして、真司からマイクを受け取った蓮が、
「これから、2人で力を合わせ、あたたかな家庭を築いていくことをここに誓います。未熟な2人ではありますが、どうか今後とも末永く見守っていただけますと幸いです」
いい終わると、2人同時に頭を下げ、
「おめでとう!」
「おめでとうございます‼︎」
大きな拍手が巻き起こり、2人は感謝の涙で目が潤んだ。
「それでは、メンイとも言えるケーキカット、ファーストバイト、お願いします」
嬉しそうに大山がいうと、式場のスタッフによってケーキが運び込まれる。
ケーキは甘いものが苦手な蓮も食べられるようにと、甘さ控えめなフルーツたっぷりムース。
真司と蓮が、大きなナイフでケーキをカットすると、大きな拍手が起こり、お互いの口にケーキを運ぶと、沢山のシャッターが切られた。
その後、歓談。
そして食事は、沢山の人と話せるようにと2人のたっての希望で、半立食ビュッフェとなった。
ビュッフェには、沢山蓮の心配りが施され、
一つ一つの料理を取りやすいようにと、小さな器に盛り付けられ、器の中で一つの料理が完成されていたり、
スープは冷めても美味しく食べられるように、冷製スープ。
サラダもメインも好き嫌いがあっても、みんな食べられるようにと、魚と肉、両方用意され、
デザートに至っては、糖分を気にするゲスト用に、糖分を抑えたものと、女性も男性も楽しめるものも用意した。
飲み物も、多種多様を用意し、メニューに合わせて楽しんでもらえるようにもしていた。
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