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「リフィーはいつまで経っても小さいまんまだなぁ」
「キュー」
夜
ベッドの中でヴァンの掌に座らされる。
(大きくなったら一緒に寝れないよっ?)
前は両手で掬ってくれてたのに、今は片手で十分になってしまった。
僕の身長よりもヴァンの掌の方が大きい。
竜と人間の生きる時間は違うから、僕が成人するのはまだまだ何百年も先。
だから、それは当たり前のこと。
(でも、寂しいなぁ……)
独りぼっちの僕を救ってくれたヴァン。
君がいなくなっちゃったら…僕はどうすればいいの?
これから先の長い人生を独りで歩むなんて、絶対無理。
(って、今からそんなこと思うのも早いや!)
だってヴァンもまだ子どもだもんっ!
いや、今年で成人しちゃうんだけど……
でもでも、まだ一緒に居てくれるよね?
親指にすりすり擦り寄るとくすぐったそうに笑ってくれて。
そのまま枕元に丸くなって、一緒に眠った。
その日の、夜。
〝ーーアルヴァン様!!〟
(なに…?)
〝アルヴァン様、アルヴァン様……っ!
誰か、急いで薬師と医師を!!〟
なに? ロルドさんどうしたの?
煌びやかな会場、沢山はためく国の旗。
大勢の人たちが見ている…その赤い絨毯の真ん中で。
(ーーっ! ヴァン!!)
ロルドさんに抱きかかえられながら、
心臓部分に深く矢が突き刺さっているヴァンを
見つけたーーーー
「ーーッ!?」
一気に目が覚めてガバッと起き上がる。
直ぐ隣を見ると、スースー寝息をたててるヴァンの姿。
(良かった…生きてる……)
まだお日さまが昇る前みたいで、シィ…ンとしていて。
深く深呼吸しながらバクバクいってる心を何とか落ち着けた。
(今のは、予知夢……だよね?)
大変だ、ヴァンが死んじゃう。
どうしよっ、どうしよう……っ!
(って、パニックになっちゃ駄目だ!落ち着いて僕っ!)
先ずは見たものを思い出して…忘れないようにちゃんと。
昨日のカップみたいに失敗しないように。
もしどの瞬間かが分からなかったら……ヴァンが死んでしまう。
(……っ、ヴァン!)
目を閉じながら、一生懸命頭の中を整理していったーー
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