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「いよいよですねアルヴァン様。 よくお似合いです」 夢に出てきた通りの正装。 仕立て屋さんも満足そうに頷いていた。 遂に始まる、成人の儀。 今日は凄くいい天気で、お日さまもヴァンのことお祝いしてるみたい。 滅多に褒めないロルドさんに似合ってると言われ少し嬉しそうな姿を、離れたとこから眺めた。 コンコンッ 『アルヴァン様、お時間です』 ドアの外から多分手帳を持ってた人が呼んでるんだと思う。 (今だ!) タイミングを見計らって、みんなの視線がドアに向いた瞬間パッと飛び上がった。 そのまま一直線に真っ直ぐ……ヴァンの方へ飛んでいく。 そして、 「っ、リフィー……?」 正装の丁度胸の部分 ーー心臓の上辺りに作られてたポケットへ、潜り込んだ。 「おい、何の真似だこれは」 「リフィル様?」 「………ッ!」 外へ出そうとグイグイ引っ張られるのを、懸命に服へしがみ付いて耐える。 『アルヴァン様、お時間が迫っております!』 「…アルヴァン様ひとまずは会場へ向かいましょう。 本番ではこの上にマントを羽織られますし、気にならさずとも目立たないかと」 「……あぁ、分かった」 はぁぁ…とため息を吐いたヴァンが、諦めて歩き始めるのが振動で伝わってきた。

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