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3.16才の理衛と37歳の翠龍

「やっ…」 わらか…と口の中だけで呟いて理衛少年は全神経を指先に集中させる。想像よりもずっと…え?嘘だろこんなに?まんこじゃないのに? 初めて味わう男の尻の中の感触に、理衛は横っ面を殴れたかのような衝撃を受けていた。 男とのセックスの経験がない自分に、兄者は色々と気遣いを見せてくれて(と言ってもセックスの経験はそこらの同年代の男よりは豊富にある。あくまで対・オスの経験がないだけで悪しからず)、なんとまあ自分で尻もほぐすし(自分には決して振り返るなと釘を刺したが薄目で見た)、ローションも垂らすし(ボトルからブリュッと汚い音が出るのを聞いたので)、終いには目を閉じるように言われ、なぜかと問えばオヤジ相手じゃ無理だろうからと。「舐めてやろうかと」……とか。 理衛は脳の神経が焼き切れそうになりながらぶんぶんと首を縦に振ってお願いしたが、痛いほどビンビンな息子に気づいた翠龍に「不要なようだ」と言われ泣きたくなった。自分だってそんなの要らないくらい張り詰めてるのは分かっていたが、舐められたかったのだ。 そんな様子の理衛を見て、翠龍は若いなぁとしみじみ思う。 とにかく大人の翠龍さんは16のただのキッズである理衛にとってはエロすぎて、概念的な鼻血が止まらなかった。 やることなすことエロすぎてヤバイ。大人すごい。今までイキがっていてスミマセン。俺はただのバブでした。今後はもっと殊勝に生きます。 頑なに嫌がる兄へなんとか頼み込んで泣きついて、顔は見せないという条件で翠龍はベッドの上で四つん這いになって理衛の指を受け入れた。 上等な着物がすでに乱れていて、捲れた隙間から震える内腿が覗いて理衛は目眩を起こしながらぺろりと布を捲り上げる。露わになった尻にまで鮮やかな墨が侵食していて、ドスケベ!と叫びたくなったがなんとか堪える。ローションで濡れてぬるりと光る尻の割れ目に理衛は指を入れさせてもらうと、中の柔らかさと暖かさにハッと熱い息がこぼれ出た。それが冒頭のことだった。 翠龍はなるべく声を出さないように努めながら中を探る理衛の指遣いの拙さを補うように腰を落とした。 初夜なんてもう何十年前だ?いや何百年前だったかもしれん。今更こんな生娘同士みたいなセックスは無理だ。死にたくなってくる。恥ずかしすぎて耐えれそうもないので、さっさと慣らして、さっさとぶち込んで終いにしたいのだ。 だが、そんな翠龍の思惑などいざ知らずな、少年は興奮をアホのように募らせて未知の探索に夢中だった。相手の積極的なそういう一挙一動にいちいち興奮してしまう若い理衛ちゃんなので。 逸りがちな若い理衛のセックスに、今まで丁寧にねっちりと攻められて経験を重ねてきた翠龍は正直少しイマイチな気持ちではあったが、優しい気持ちで理衛のセックスに付き合う。 「もう挿れていいですか」と興奮しきりに言われて、まだ不十分な気もしたが自分も早くぶち込んでほしいのもあって「ああ」と短く返答する。 ピリっとスキンの袋を破く音がして「まだ着けとらんかったんかい」という気になるが、まあ、高校生なので致し方ないだろう。 装着し終わったらしい理衛がグッと尻を割り開いてちんこを宛てがう。そのまま無言で挿れられて、いつもと違うセックスの仕方に、まるで別人だなと苦笑する。それもなんだか可愛らしく感じてしまう。 「知らなかったんです?俺はセックスするために生まれてきたんですよ」とかケロッとした表情で宣うあの理衛にもこんな不器用な時代があったのだなと思うと面白い。あとでからかってやろうと思い、いやこんな話、理衛にも誰にもできんわなと思い直す。 は、は、と早い呼吸で腰を動かし時折ビクビクと体を震わせて快感に悶える理衛を背後に感じながら、翠龍は小さく声を漏らした。 なるべく抑えようと理衛が腰の動きを堪えているのは分かるが若さがそれを阻む。 ユサユサと小刻みに自分の腰を揺らしながら、翠龍の腰を掴んだ理衛の手には力が篭り、無意識なんだろうが少しずつ自分の体へと引き寄せて深く繋がろうと藻搔いている。 理衛の硬い猛りが腹の中を何度も行き来すると、翠龍の体は貪欲に快感を拾ってしまう。幾度となく繰り返した行為に対する反射反応だ。 「うっ、っふ、ああ……」 噛み締めた歯の隙間から色のついた吐息を漏らして、翠龍は眉根を強く寄せてそれを耐える。 みっともない声色で縋るわけにはいかず、しかし体は言うことを聞かず、ゆるりと腰を振って理衛の幼いものを喜んでしまう。ああ、大人の面子が…と翠龍は自らのだらしなさにうんざりするが、「アッ」と上がった高い声に体を強張らせた。 しまった。オヤジが喘いでしまった。 そう思った翠龍だったが、ピタと止まった理衛の律動に「んん?」と首を傾げた。いや、そもそも今の声は俺のものだっただろうか? 「あぁ…、嘘、あにじゃ、アッまさかそんな」 動揺する理衛の声に翠龍は体を捩って後ろを振り返る。呆然とした様子の理衛がズルッと挿れていたものを引き抜く。一拍遅れてたらん、と小ぶりになった理衛のちんこが抜け落ちる。 「ギャ」 それを見るや否や理衛は掴んでいた腰から手を離して信じられないと言うように自分の頬に爪を立てた。 理衛の毛が逆立って、こういうのどこかで見たと翠龍は思った。ああ、そうだジブリだ。 思いがけないタイミングで達してしまった理衛に驚く翠龍だが、まぁそれも可愛らしい。消え入りそうな声で「ごめんなさい」と謝る理衛が可愛い。 なんだこれは、可愛いの基準値越えだ。これが花粉だったら今、翠龍は花粉症デビューするところだった。 ぶわりと胸がいっぱいになって、可愛いという気持ちでいっぱいになる。ときめいている。こんなのいつぶりだろうか。秋乃を胸に抱いた時以来だろうか。青春か。 若い燕が好みだったか…と翠龍は自分を皮肉りつつ、ヌルヌルと萎えた理衛のものに尻を擦り付けるようにして動く。 「うう」とか「ハぁ、」とか熱い息を吐きながらそれを続ければ、また硬さを取り戻した理衛の回復の速さに笑みがこぼれる。可愛いは正義というやつだ。 「新しいゴムを」と言って翠龍が理衛を振り返れば、「いま持ってません」と真っ赤な顔が答えたので、翠龍はクックと喉で笑って、身を起こしてチェストの引き出しを開ける。0.01と書かれた新品の箱を乱暴に開けてビラビラと中身を引っ張り出す。それをラフに理衛に投げつけてニヤリと笑う。 「そんだけあれば足るか?」 ■ 夢の大スペクタクル、愛と感動の巨篇ファンタジー・第二回戦を終えて、理衛は口の端から涎を垂らしてハフハフと逆上せた頭を休ませていた。明らかに刺激過多だった。 兄者は終わった後もあっけらかんとして、チェストの上に置かれていたミネラルウォータを喉骨を上下させて飲んでいる。さっきまであんなに凄まじいことをしておいて、今や別人のように冷静な表情だ。賢者タイムか?賢者超えて悟りでも啓いてそうだ。逆にエロい。 「お前もよく飲め」と封の開いていないペットボトルを投げて、兄者は乱れた髪を後ろへ撫でつけた。それは事後の大人っぽくて、セクシーだった。俺もあれやりたいなと思いながら理衛少年もゴクゴクと水を喉に流し込む。 翠龍が纏っていた着物は腰の帯で辛うじて留まっている程度で、着ていないと変わらなかった。 隠されていた背中の龍彫りもその迫力を存分に見せつけて、股近くの布にはやらしい染みがいくつもできている。それを理衛が謝ると「俺の着物じゃないから構わん」と言って翠龍はベッド上の理衛の隣へ乗り上げた。 そして理衛が飲み終わった空のペットボトルを掴んで、ひょいとそこらへ転がしてしまう。行儀の悪い兄の姿が新鮮でなんだかエロティックに見える。そのまま、唇を重ねた翠龍の体を抱き止めながら理衛は夢見心地で舌を吸う。 チウチウと乳飲み児のように吸い付いてくる理衛に目を細めて、翠龍は理衛に「まだやれるか」と問う。体に多少の疲労はあるが、物足りないのだ。もっと善い思いをしたい。 問われた理衛はテンパりながらも「ひゃい」と返事する。大変可愛らしい。百点。 三回戦目は開き直りまくった翠龍がリードして、理衛をひゃんひゃん喘がせた。 ちんぽは皮の境目を舌で嬲りながらしゃぶってやったし(3回目の射精は我慢させた)、上に乗って中を締めながら腰を振ってやったし(ここでも無論出すのは許さなかった)、理衛が好きなところを刺激しつつ(まだよく分かっていないようだったので、お前は雁首のくびれが好きだと教えてやった)、翠龍は自分の良いところへと理衛を導いてやる。 ゼェゼェしながら理衛ががんばって腰を突き上げるので、翠龍はご褒美にたびたび理衛の乳首を甘噛みした。 その度にヒンと鳴くのがめちゃめちゃに可愛いので、勝手に尻が絞まってしまって仕方なかった。 興奮しっぱなしの理衛をもっとよくさせたくて、翠龍も頑張っちゃったのだ。あれだ、サービスサービスゥ。 そろそろ尻で達せそうで、翠龍は腰を振る速度を早めた。尻たぶが理衛の腰をばちばちと打って骨に当たる痛みもあるがそれ以上にせぐり上げる快楽の方がずっと強烈だった。 ぽたぽたと汗と汁が理衛の張りのある美しい腹筋に落ちて溝を伝ってへそに溜まる。エロいな、なんて思ったら体が痙攣して達してしまう。 大きな声をあげて快哉を叫ぶとドクンドクンと理衛のものが脈打って、射精したのだと翠龍にも分かった。 完全にちんぽの奴隷になってあうあう言いながら、理衛のものを締め付けながら何度も中に擦りつけて、最後の最後まで理衛のザーメンを絞りきってやる。 ここまでヤったら、とことんヤるのが武士の情けというものだろう。武士、こんなことまでしてたか知らんが。 だるい腰を持ち上げて、理衛の三度萎えたものを体から出す。先端に引っかかっていたゴムを溢さないように外してキュッと口を絞った。タプつく中身に「やっぱり若いってすごいな」と思いながら翠龍はゴミ箱にそれを放る。 全く反応を返さなくなった死体になりかけの理衛に、再度水を渡し、受け取らないのでキャップを捻って顔に零して無理やり蘇生させる。ガホッと咳き込んで身を動かした理衛に翠龍が面白そうに顔を近づける。 「感想は?」 「兄者好きぃ…」 「ワハハ」 本当に本当に16才というのは可愛いのだった。

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