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第4話 休みの日はどうしてる?:管理人
今年もやってきた、お盆の季節。
オレの仕事はごくごくフツーに、カレンダー通りで、この時期特有のお盆休みというものは、ウチの業種には関係ない行事だった。だからその期間中でも、フツーに仕事は、ある。
事前に銀行に行ってお金を卸してきておいて、何かの時の準備だけはしておく。
あとは冷蔵庫の中の買い出しなんだけど、これは食べる量によるなあ。
「みんなは、お盆休みは、家に帰るの?」
買い物を、どのタイミングにするかの参考ということで、お金の相談と冷蔵庫の空間と飲み物の確保の相関図を、想定しておきたかった。
ここに住むようになって、もう数か月が経っている。二人ともだいぶ慣れてきたところで、こっちでの仕事も、順調のようだ。
ただ。なんとなく、予感はしてたんだけど、一応、みんなに聞いて回った。
「あー、いえ、僕はこっちにいます。仕事もあるし。」
「うーんと、帰らない、ですね。」
やっぱり、か。ま、オレもお金が無いから帰れないし。
偶然なんだけど、ウチの同居人とオレは、みんな北海道出身だ。街は違えど。
関東から飛行機で飛ぶとなると、飛行機代に電車賃に、交通費だけで片道2万円を超える。
途中の飲み食いやお土産代を考えると、数日のうちに諭吉さんが5~6人いなくなってしまう。
同居人みんなの働き方は正社員じゃないので(あ、一応、オレは正社員ですけど)、一般的に考える収入に比べたら少し低くなる。そんな生活に、この支出は、とても痛い。だから帰れないというのが本音の一つなんだろう。
だから、生活費はほとんど、オレが出してるという現状がある。
他にも理由はある。
…、この二人とも、ゲイだということもあるけど。
これについては、入居の時に、二人とも、個別で、ちょっと話は聞いていた。
まあ、お互いがお互いのタイプとは、ちょっと離れてるらしいので、同居中のセックスはまず無いんだけど。まあ、たとえあっても、オレは構わないんだけどね。布団とか洗濯してれば。
…、そうだ。なので、読者の方にしたら、申し訳ないんですが、この話に、濡れ場は無いですよ。申し訳ないです。
あ、でも、二人のパソコンデータを見せてもらうこともあったんだけど、ゲイの画像とかちゃんと保存されてました。
んで、他の理由は、まあ、そのうち書きましょう。
そこを書くと、話が長くなるから。
肝心の、休みの時は何をしてるか、というと、うーん、…、うーん、…、
何もしていない、というのが、見た感じだ。
どこか外に遊びに行くでもなく。
気が付くと、寝ている、パソコンしてる、くらいだ。
(このころは、コロナの前だったので)オレの方が東京に行ったり、近場のお店に回ったりと、動いてる方だと感じたくらいだった。だから、もっとあちこち行けばいいのに、と、内心思っていたくらいだった。
その様子を見ていると、なにか変なところがあるように思えた。
気が付いたのは、寝ているところだった。睡眠時間がちょっと違うぞ、と。
それで、寝ている様子を見ていて、そしてさらに個別に話を聞いてみる。
その頃から、睡眠の話を中心に聞いてみると、ぽつぽつと、今までの経歴や、病院にかかった時の話をしてくれるようになってきている。生活の全てにおいてのトータルケアというのは、本人がやるものだとは思っているが、
このように本人もコントロールしきれない部分があるとなると、一人の生活では難しい面がある。
そういう時に、シェアハウスしていると、気を使ってもらえる場面ができる。本人にとってはとても有り難いことではある。そこは、遠慮しないでもらいたいと、オレは、管理人の立場も含めて、考えている。
このように個別に話を聞いていって、それじゃあと、とくにルールを決めないというルールを作って、本人が過ごしやすい生活サイクルを自由に設定できるようにしよう、ということにした。
なので、本当に、赴くままに、暮らしている、そんな感じになった。もちろん節操はあるけどね。
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