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第4話
「買い出し行くかあ...春樹、なにが食べたい?」
「兄ちゃん、料理できるの!?」
「一人暮らしにもなれば自炊くらいするよ、てか航太」
部屋の真ん中のテーブルで足を崩してポテチ食べて僕らを見てた航太が、あ?と言った。
「帰れよ」
「なんでだよ、俺も飯食いてーし」
「春樹もいるし」
2人の何気ない会話から
「...もしかして僕、邪魔だったかな」
慌てて兄が
「な訳ないだろ、兄弟なんだから」
(兄弟...)
「だったら一緒に買い出し行こうよ、俺、車あるしさ」
そうして、航太さんの車で兄の近所のスーパーに行った。
帰宅すると兄はエプロンを付けて、キッチンに立った。
「なにか手伝おうか?」
尋ねると
「いいから座ってな」
と背後にいた僕の頭をクシャッとして微笑んだ。
必然と航太さんと2人きり...。
高校生?はい、幾つ?16です、彼女はいるの?いません
あれやこれやと質問攻めにされた。
しばらくするとキッチンからいい匂い...。
「兄ちゃんの友達なんですね」
「そう、高校からね、部活が一緒でさ」
ふと、2人はもしや恋人とか、と思っていたから安心した(笑)
2人でテレビ見てたら
「お待たせ」
とテーブルに3人分のコロッケ、お味噌汁、サラダ。
「簡単なもので悪いけど」
そう言うと兄は付けていたエプロンを脱いだ。
長めの黒髪から見える伏し目がちな瞳が色っぽい...
俺は少し暗めだけど栗色の髪、170センチだし、女みたいでかなり嫌だ。
「さ、食べよ、春樹」
「うん!」
「俺は?」
「お前はしょっちゅう食べてるだろが」
「えーっ、なにそれ、冷たっ」
2人のやり取りにまたキョロキョロしながら食べた。
美味しかった...美味しい、けど、友達だよね?
ゲイビを見てしまったせいか、2人を疑ってしまってるのかも。
食べ終わり、食器をシンクに持っていった。
「母さんも心配するだろうから、早めに帰宅しないとな」
兄が微笑み、また髪をクシャッとする。
これがヤバいんだけど!
「うん...航太さんは帰らないの?」
「俺?俺は一人暮らしだし問題ないもん」
「...ズルい」
思わずついて出た言葉に兄がえ?と言った。
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