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第5話

「僕も泊まりたい...」 兄がうーん、と唸ると 「お前、悪いけど帰れ」 と兄は航太さんに言った。 「はああ?」 「いいから帰れ、春樹いるし」 「僕がいたらまずいの?」 思わず口をついて出た。 2人が一瞬、僕を見たまま、無言で固まった、ように見えた。 「な訳ないだろ?こいつがいるとうるさいからさ」 「こいつって(笑)」 渋々、航太さんは 「んじゃ、兄弟水入らずで楽しんでねえ」 何処か嫌味のような皮肉のような。 「やっぱり邪魔だったかな」 「違うって」 兄が笑いながら飲み物を勧めてくれ、一緒にテレビを見た。 その間に風呂を溜めてた兄が、 「先、入っていいぞ」 と促したので 「僕、後でいい」 テレビが面白いから、と言い訳した。 先に兄が風呂入ってる間に、実はこっそり覗こうとか考えてた(笑) (そろそろ風呂入ったかな...) 兄に借りたスウェットのまま、忍び足で風呂場に。 「どうした?」 まだ上半身が裸のままの兄とばったり。 「え、あ、いや」 きょとん、と兄が僕を見る。 上半身だけで僕は勃起してしまってた... ゲイビで舐められて感じてる乳首や綺麗な筋肉が見えたから。 「なんでもない!」 僕は慌てて、リビングに戻った。 しばらくすると上半身裸、髪を濡らした兄が髪をバスタオルで拭きながら戻ってきた。 「春樹、空いたぞ」 「う、うん...」 続いて僕も湯船に浸かる。 めちゃくちゃ恥ずかしくて、顔半分、湯船に浸かった。 戻ると、兄がなんだか真剣な顔付きで僕を待っていた。

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