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第20話

兄ちゃんとデート! 兄ちゃんが車を出してくれた。 運転中の兄ちゃんを見るの好きだ。 これから2人で映画を観にいく予定。 そして。 「あー!面白かった、ね、兄ちゃんっ」 「そうだな」 と兄ちゃんが微笑み、僕の髪をクシャッとしてくれた。 兄ちゃんが17の誕生日にくれた腕時計を見たら、13時過ぎ。 「遅くなったけど、昼飯にするか」 そうして、2人でイタリアンのお店に入り、ピザやパスタを食べた。 「美味いか?」 「兄ちゃんの料理には劣るけどね」 と言うと 「褒めてもなんも出ないぞ」 と笑われた。 デザートに俺はミルクレープとアイスカフェオレ、兄ちゃんはホットコーヒー。 「何処か行きたいとこあるか?」 「んー...特にはないかな」 そうして、僕達は部屋に戻った。 玄関先に雄大が立ってた。 「どしたの、雄大」 「家族で旅行行ったから、お土産」 兄ちゃんが雄大を部屋に上げ、3人で雄大のお土産のお菓子を食べた。 この日、兄ちゃんはバイト、休みだった。 僕と雄大はゲームをして遊んでた。 そんな時、チャイムが鳴った。 「どしたんですか、いきなり、部屋知ってましたっけ」 「後輩から聞いた」 振り返ると、祐也だった。 僕に釣られ、雄大も振り返る。 固まっている俺と打って代わり、雄大は 「お前...!」 と立ち上がり、祐也に掴みかかった。 ハッと我に返り。 驚いている兄ちゃんを他所に、僕は 「人違いだから!」 と雄大を窘めた。 「人違い...?」 「兄ちゃんの大学の先輩なんだ」 「いきなりびっくりしたな、春樹だっけ?友達?」 と平然と僕に聞いてきた。 僕は雄大に、 「今日は帰って」 と言ったが雄大は。 「帰らない」 耳元で 「あいつが帰るまで帰らない」 と囁いた。 雄大は理解したみたいだ。 「これ」 「気を遣わせてすみません」 と兄ちゃんは酒の入ったビニールを渡されてた。 兄ちゃんと祐也は2人で喋りながら酒飲んで、僕と雄大はゲーム。 「お前らがゲームばっかしてるからテレビ見れない」 と祐也に言われた。 「俺んち来る?」 と雄大。 「テレビに切り替えて、春樹」 と兄ちゃん。 僕は仕方なくテレビに切り替えた。 「春樹たちも飲んだら?」 祐也に酒を薦められたが、 「未成年なんで」 雄大が冷たくあしらう。 「兄の癖にしっかりしてくださいよ」 雄大が兄ちゃんに言った。 兄ちゃんがムッとしたのがわかった。 「俺が春樹、守りますんで」 えっ、と僕は雄大を見た。 「心配なんだもん、お前。誰かが守ってやらないと、て思う。こないだだって...」 「雄大!言うなって言ったろ」 「言うなって...?なにか口止めしたのか春樹」

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