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第30話

俺は一人暮らしで自堕落な生活を送り始めた。 和樹が、 「いざとなったら俺ん家においでよ」 と言ってくれた。 18の和樹とハタチの俺は付き合い始めた。 「好きだよ」 思ってもいないけど、 「俺も。大好き」 抱きついてきてキスされた。 和樹はかなり可愛い。 作品もかなり評価が高かった。 ちなみに俺と共演したくて、ゲイビの面接を受けた子。 申し分ない。 玄関のチャイムが鳴り、出ると雄大だった。 「何しに来た...」 突然、雄大に抱きつかれた。 「お前、酔ってんの」 「な訳ないだろ、バカ兄貴」 「誰ー?あ。弟さん」 雄大がまた。 「弟じゃないです、彼氏です」 俺も和樹も目を丸くした。 「どういうこと、これ、嘘ついたの、航太」 和樹がわなわなと震えた。 「すみません、和樹さん、嘘ついて」 と雄大。 「俺、帰る!」 上半身裸だった和樹は一旦、部屋に戻ると服を着、バッグを持ち、怒りながら階段を駆け下りていった。 「どういうつもりだよ、雄大!」 雄大を見ると、和樹の背中にあっかんべー、としていた。 「とりあえず、入れよ...」 俺は久しぶりに雄大を部屋に入れた。 テーブルにはカップ麺やコンビニの弁当の残骸やらゴミが散乱、ベッド近くのカーペットにもティッシュが散乱、ローションも転がってる。 「なにこれ、汚っ!」 雄大が鼻を摘んだ。 重い腰を上げてゴミ掃除、雄大も手伝ってくれた。 「あの人、兄ちゃんには合わないよ」 「なにが。人気あんだぞ、あいつ」 「やっぱ、付き合ってんじゃん」 「最近な」 「...俺のことはどうでも良くなったんだ」 「え?」 「...ううん」 俺は気まずくなり掃除の手を止めた。 「俺が悪かったよ、もうお前にはなにも...」 また体にローションの本体が投げ付けられた。 「なんだよ、これ!気持ち悪い!」 「気持ち悪いって自分も使ってんだろ!」 「使ってねーわ!アホ!」 えっ、と俺は固まった。 「口でされただけ!いつまでもやらせねーから振られたの俺!」 「まぢかよ...」 てっきり最後までやったものと思っていた俺は拍子抜けした、が、少しホッとした。

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