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第31話

「春樹と春樹の兄ちゃんが付き合ってんの知ってから兄ちゃんが気になってた」 いきなりの告白に俺は戸惑った。 俺はもう雄大を忘れるつもりだったから。 「なんでそれを...」 「春樹から聞いた。彼氏はいるわ、ゲイビに出てるわ、父さん達に言えないことだらけだね」 と、スマホを見せた。 俺の出演したゲイビが流れてる。 最近はタチだけでなく、ウケとしても出演してた。 初めてはウケだったし、全ては金の為。 性欲解消、出来るわ、一石二鳥だった。 「見たのか、お前」 「もちろん。全部見たよ。ちんこもアナルも感じんだね、兄ちゃん、ドスケベ、ド変態」 「うるせーよ、お前には関係な...」 キスで塞がれた。 「もうやめてよ、兄ちゃん」 俺は固まった。 「春樹の兄ちゃんと別れてから、殆ど家にいたのに、寂しいよ」 裸の胸に雄大がもたれかかってきた。 熱い...。 ふと、雄大のおでこに手を当てた。 「お前、熱あんじゃん」 「そんなのどうでもいい...」 「な訳あるか、ほら布団に横たわれ」 「やだよ、セックスの後っぽい、大丈夫だから」 「熱あんのに来るとかアホかお前は」 「早く帰ってきて欲しかったんだも...兄ちゃんを不安がらせたくて、タクヤさんと付き合いました、ごめんなさい」 パタッと俺の胸に倒れ込んだ。 やっぱり体ごと熱い。 ソファに一旦寝かせ、さっきまで和樹と寝ていたベッドではなく、押し入れから布団を出し、寝かせた。 おでこに急いで熱さまシート。 「ごめんね、兄ちゃん...」 熱があると案外、素直なのかもな、と思いながら、 「いいから寝てろ」 夏樹に電話し、事情を話すと、春樹と2人、ポカリや風邪薬や色々、買ってきてくれた。 体温計も買ってきてくれたので熱も測った。 「風邪引いて学校休んでたと思ってたら、航太さんのとこ来てたんだね、雄大」 「お前、俺が夏樹と付き合ってたこと話したろ」 「うん、聞かれたから」 「聞かれた?」 「兄ちゃんの前の恋人、てどんな人だろ、て...僕と兄ちゃんのキスを見てしばらくしてだったかな...」 「戻ってきてよ...兄ちゃん...」 苦しそうな掠れた声で雄大が呟く。 「わかったから。安心して休め」 俺は雄大の頭を撫でた。

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