33 / 38

第34話

結局、俺は一人暮らしのアパートを引き払うことになった。 落第しかねない出席日数のせい。 雄大もあの部屋いたら留年するよ、と加担したらしい。 「そんなに俺にいて欲しいの?」 にやにやと雄大を見た。 風呂上がり、雄大の部屋で一緒にDVDで映画を観てた。 「そりゃもちろん」 「素直だな」 と雄大が手にしてたポテチを食べた。 「春樹がしまった、て思うくらいの恋しろよ、て言ったじゃん」 「うん」 「あれは多分、無理」 「...なにが言いたい」 「俺が好きなんだからそれでいい」 袋に手を入れ、パリッとポテチを食べた。 映画を見終え、 「じゃ、戻るわ、おやすみ...」 と、手首を掴まれた。 「はっきりしてよ」 「なにを」 「俺と付き合ってくれる?」 俺はしばらく黙りこくった。 「どうなの、ねえ」 「...俺でいいんなら」 「やったあ!」 と俺の胸に飛び込んできた、かと思ったら、ベッドに押し倒された。 「なにすっ...」 何するんだよ!と言いかけ、唇で塞がれた。 「もう俺の彼氏だよね?」 「...そうなるな」 「ゲイビも辞めてくれたし、ご褒美あげる」 「ご褒美...?」 俺を裸に剥いた。そして、雄大も。 キスをされた。 「タクヤさんとアナルだけじゃなく唇も守ったんだ、偉いだろ」 相変わらずだなあ、と思っていると、ベッドの下から何やら紙袋。 渡されて開けるとローションとコンドームだった。 「やっと使える日が来た」 かなり前に雄大は買っていたらしい。 再びキスをされ、乳首を舐められた。 「お前、上手いな...」 「女とはしたことあるもん」 「...てことは俺がウケ...?」 「痛いのやだし、ほら、フェラしてよ」 ボクサーパンツずらすと、垂直に勃起した雄大のちんぽが跳ねるように飛び出してきた。 ゆっくり丁寧にフェラしてやった。 「もう他の奴のしゃぶったらいけないからね」 そうして、雄大はなんら躊躇いもなく、俺のアナルをローションで解すとコンドームを付けた勃起ちんぽを入れてきた。 「うっ...」 と思わず、仰け反った。 パンパン肌を叩くような音を立てながら俺を抱く。 「激しいよ、お前...っ、あっ...あっ」 「痛い?」 紅潮した頬で見下ろされた。 「あっ、あっ、...イきそう...!」 ちんぽを握ると俺は掘られながら射精した。 しばらくあんあん言う俺を掘り、 「俺もイク...!」 とゴム越しにドクドク、奥に出された。 2人で肌を寄せ合い、ベッドの中。 「これからも俺がウケ...?」 「嫌なの?」 「嫌、て訳じゃないけど」 「だったらいいじゃん」 と俺にしがみついて来た。 「好きだよ、兄ちゃん」 「俺も」 「俺も、なに?」 「...好きだよ」 俺より雄大の方がうわてだった。 雄大が何処かに電話し始めた。 スピーカーだった。

ともだちにシェアしよう!