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第11話
「あ、ありがとうございます、いつも...」
「ここのシュークリームがさ、人気らしくって、あ、ポテチやジュースもあるけど、みんなで食べて」
部屋に入るや否や、セイヤさんは毎回こうだ。
(彼氏が亡くなった、て言ってたし...そんなものかな...)
自分が経験したことないからわからなかった、付き合った事すらないし、ましてや好きな人がいた試しもないんだから...。
「普段、どうやって過ごしてるの?」
「どうって...セックスとか」
全裸の俺にラフでシンプルだけど清潔感のある服装のセイヤさん。
突然、セイヤさんが真っ赤になった。
「あ、そっか、そうだよね...」
「あの...!」
「は、はい」
「なぜ、何もしないんでしょう」
「なぜ...なに、て...」
「普通、セックスして帰りますけど、皆さん!」
「へ、あ、う、うん」
「しないんですか!」
セイヤさんは顔が真っ赤だ、たぶん、俺も。
「いや、さすがに14歳は...」
「だったら17の子を呼びましょうか!」
「いや、ちょっと待って...!」
ベッドから立ち上がった俺の手首を握った。
「あの...さ、俺、ウケなんだ...」
「へえ...えっ!」
23歳と聞いてる、確かにガタイがいいとは言えない、けど...。
「10代に掘られるとか、さ...それにまだ気持ちの余裕もな...」
俺は無意識に唇を奪ってた。
そのまま、セイヤさんを押し倒した。
「ま、待って...心とかほら...体の準備が...」
そのセリフで、あ、と気づいた。
「一緒にシャワー浴びましょう」
「えっ」
「いや、今日はさすがに...」
「そうして、次は来ない、てオチでしょう」
「そ、そうじゃないけど」
「チーズケーキ!」
「えっ?」
「あと、飲むヨーグルト、プリン、ポテチも好きだし、みんな喜びます、てか、喜んでます」
「そ、そうか、ありがとう」
なぜか、動揺しているのかセイヤさんが感謝。
「また来てくださいね!」
にっこり笑顔。
「う、うん...」
トントン、とドアがノックされた。
次の客がいるから急げ、の合図。
俺はセイヤさんの手を取り、ドアを開けて、見送った。
入れ替わりでシュンと客が入っていった。
「ねえ、もしかして今の人?」
マコに聞かれ、うん、頷いた。
しはらくすると、さっきまで自分のいた部屋から切ない喘ぎ声が聞こえ始めた。
「すっかり受けになったね」
とマコの隣に座った。
「だね、心配」
「なにが」
「俺と出来なくなりそうで」
んー、と俺が唸る。
「入れた事はある?」
「俺?ないよ」
「なんで?」
「なんでって...特に理由はないけど」
そう言うとマコは黒ひげ危機一髪でグサッと剣を刺した。
「あの人さ...受けみたいで」
「えっ、まぢ、だからかあ」
はい、と剣を渡された。
「シュンの番は?」
「マコにやらせて、て」
トウマが言った。
ふーん、と剣を刺した、と、真ん中の黒ひげのおじちゃんが飛んでった。
「あー、カイの負けだー」
特に負けたから、て罰ゲームはないんだけど、ただただ悔しい。
「もう1回!」
「好きだねえ」
とエイジに言われた。
そうして、時間は過ぎ、ドアが開くと、
「まーだやってんの」
と背後から隣のマコをシュンが抱きしめた。
「カイが負けたから」
「弱っ」
「うるさい」
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