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第11話
「「LOVERS、異例の30万再生、おめでとう!!」」
多米と津麦は珍しく杏や桃、さくらんぼといった度数の低い甘めの缶酎ハイを空けながら、実況用のレコーダーを回していた。
「酔いどれ実況は前からして欲しいって声もあったので、30万再生祝いも兼ねて、やってみようと思います!」
後で音楽や効果音を入れる為に、適当な間を入れる。
ちなみに、多米は酒は割とどんなものでも飲めるが、あまり飲む習慣がなく、津麦は酒があまり飲めないが、ゼミ・友人同士・仕事関係者を問わず飲み会へ行き、実況後にもよく飲むらしい。
「でも、kyo-さんは酒癖が悪そうだから実況中は3本だけにしよう」
「そりゃ、そっちのことだろ」
「まぁまぁ、じゃあ、」
「「乾杯」」
酔いどれ実況なので、今回はプレイはそこそこに、感想を言い合ったり、視聴者からの質問に答えたり、今までのまとめをしたりすることにした。
そして、酒の缶が空になるにつれて、話は今まで回収してきたエンドについてのものになる。
「えーと、次は視聴者さんからいただいていた質問に答えちゃいますね」
「答えちゃいます!」
「十李さんとkyo-さんが『LOVERS』で、特に印象的なエンドは何ですか? ちなみに、私はNO.34の『栗田』とNO.44の『心中』と勿論、NO.1のトゥルーエンドが好きでした」
絶版となった作品ではあるが、昔にプレイ済みで最近、また再プレイしているのだと言う視聴者も何人かいるという。勿論、NO.1はまだ多米達は見ていないが、確かにNO.34の『栗田』とNO.44の『心中』は衝撃だった。
「ああ、どちらも結構ヤンデレ系のエンドだったよね」
「そう。『栗田』は文字通り、栗田自身が柿埼を刺してしまって、『心中』はNO.40の特殊バッドエンドの 『戻らなかったタイムトラベラー』の派生エンドで、柿埼が死んだ後、栗田も海で入水自殺をする」
「まぁ、後味は悪いけど、確かに覚えてるわ。印象的か……個人的にはあと1歩だったじゃないのってエンドがあるんだよな。タイトルなんだっけ?」
「あと1歩?」
「そうそう。確かナンバーが38だか39の……」
「うーん、NO.38は『知り合い?』だから、NO.39の『悲恋』じゃない? 『知り合い?』はトラックで轢かれた柿埼を栗田が遠くで見ていて、去っていくエンドだし」
多米はそう言うと、NO.39のエンディングを再生する。
すると、栗田と柿埼は両思いながら決してそのことはお互いに明かさず、大学を卒業していく。そして、卒業してから1年後、柿埼がトラックに轢かれて亡くなったと友人から知らされるエンドが再生された。
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