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第13話

「『僕は柿埼が兄弟でも構わない。構わないよ……』」  初めてNO.48のエンディングに辿り着いた多米と津麦。  栗田の父と柿埼の母が再婚し、栗田と柿埼が義理の兄弟になるという今までのエンドとは少し毛色の違うエンドだった。 「『俺も……いや、俺はそうは思わない』」 「『思わない……って……』」 「『そのままの意味だ。義理かも知れないけど、親父さん達には何て言うんだ? 俺達も結婚するわって』」 「『結婚……なんて……どうして? 僕はただ柿埼と一緒にいたいだけだよ……』」 「『すまん。まぁ、結婚っていうのは極論だけど、親父さん達に言えるのか? それか、墓に入るまで隠し続けるのか?』」 『人を好きになるのは精神論だけではどうにもならないんだ』  と畳み掛けるように、柿埼の台詞が続く。  そして、その後、柿埼の言葉にショックを受けた栗田が部屋を飛び出すと、栗田の目の前にはこのゲームのお決まりのようにトラックが向かってくる。 「『く……り……た……』」  次の瞬間、栗田の身体はアスファルトに強く打ちつけられ、耳には途切れ途切れになった柿埼の声が聞こえる。 「『かき……さき……柿埼っ!!』」 「『良かった……く、たが、死な……なくて……』」 「『柿埼っ、かきさ……き……』」 「「『NO.48 義理の兄弟』」」

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