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第12話

「やっと、納得したかも。伯父さんの通夜や葬儀で、2人の兄妹は泣いていて、広斗さんはどうして泣かないのかずっと気になってた」 隣同士で並んで座り、映画は付けっぱなしなままだ。 「よほど情がないのか、プライドが高いのか、わからなかった、最初はね。 きっと泣けないだけだったんだね。 真実を受け止めきれなくて。 本当は一番、泣いていたのは広斗さん」 慶太は続けた。 「明奈は、通夜も葬儀もなかったんだ。霊安室で眠る明奈を見てたら涙が止まらないし、 泣きじゃくった。 何もしてあげれなかった自分に一番、腹が立ったんだ」 ふと、慶太が優しい眼差しで俺を見た。 「初めて会った日に言ったじゃん?慶太の好きなように生きるのが一番、みたくさ。俺も広斗さんに同じ事が言えるよ」 「...ゲイでも構わない、てこと。か」 「犯罪を犯してる訳じゃないんだし...でも」 慶太から笑顔が消えた。 「誰とでも寝るのは賛成できない」 真剣な慶太の眼差しとぶつかった。 「好きな人、見つけてよ」 「うん...」 「まだ、俺も半月あるし、夏休み」 そう言って慶太が笑った。 この晩、慶太になにが食べたいか、聞いたら、 「広斗さんの作るもの全部食べてみたい」 答えにならず、 魚の煮付け、茄子の煮浸し、タコと胡瓜、わかめの酢の物、炊き込みご飯、豚汁にした。 「凄い!豪華だね!」 「お前んちに比べたら全然だろ」 「家政婦だもん。愛がないから、愛が」 いただきます!と手を合わせ、散々、美味っ!を連発しながら慶太は食べる。 炊き込みご飯も豚汁もお代わりしまくった。 慶太を恋愛対象に思うのは変だよな、てわかってるのに、何処かで意識してる。 食事も慶太が食べ、笑顔を見届けてから、俺も箸を伸ばす。 ショッピングに映画館、水族館、プラネタリウムが見たいというので博物館も行った。 あっという間に慶太の夏休みが終わろうとしていた。

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