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第18話

俺は覚悟を決めて、慶太の豪華な実家に出向いた。 15時を回った頃、議員の慶太の父が帰宅し、慶太が行方不明になったことを告げたが、 冷たくあしらわれ終わった。 「実の息子なのに慶太を愛していないんですか!」 俺の剣幕も他所に、 「出来損ないの長男に用はない」 と言い残し、自室に入っていった。 俺は呆然とした。 「慶太を本気で好いてくれているのね」 お母さんが神妙な瞳で俺を見た。 「あの人こそ、出来損ないだと本当は私も自覚しているの。娘に対する行動にもずっと疑問や怒りもあったのよ、でもあの人には適わなかった」 お母さんの瞳は儚げだった。 「明奈ちゃんを愛していたんですか」 「当たり前よ、お腹を痛めて産んだ大切な娘だもの」 俺は言葉を失い、湯毛の消えた目の前の、紅茶が注がれたティーカップに視線を落とした。 「私もなにかわかり次第、あなたに連絡するわ。連絡先、教えて貰える?私も心配だから。あの子に何かあったら教えてくださる?」 帰路。突然、スマホがけたたましく鳴った。 慶太か、と思い、見たらかつてのセフレ、裕司だった。 「恋人のおぼっちゃんは元気してるか?」 「お前には関係な...なんで知ってるんだ?」 慶太がボンボンだってことを。 「そりゃ、うちで預かってるもんで。引き取りたければ来るといい」 そう言うと電話を切られた。 何度か体を交えた、裕司のアパートに車を走らせた。 玄関のチャイムを何度も押す、ドアが開かれた。 薄暗闇の中、ベッドを見て驚愕した。 慶太は全裸にされ、後ろ手に縛られていた。 それだけじゃない、見知らぬ男にフェラをさせられ、アナルを犯されていた。 喉奥まで突っ込まれたまにむせている。 俺はいつも慶太に抱かれるばかりで慶太の処女は裕司や裕司の友人に奪われた...。 「慶太!」 全裸の慶太が涙を流しながら、前と後ろで男の相手をさせられている。 涙目の慶太が俺に気づいた。 「見ないで!広斗」 俺は慶太に群がる2人を引き離そうと近づいたが、裕司に行く手を阻まれた。 「慶太が心配か」 「当たり前だろ」 「どうしてだ」 「好きだからに決まってる」 裕司を睨みつけた。 「俺とは付き合えない、セフレなら構わない、て言ったよな、覚えてる?」 裕司が俺に迫ってきた。 俺の着ていたワイシャツを引き裂くように脱がされ、ボタンが次々と床に跳ねる。 「やめろよ!広斗には手を出すな!」 「俺のことはお前の好きなようにしろよ。ただし、慶太は帰せ」 「驚いたな、誰も好きにはならない、アンドロイドだったみたいな奴が愛に目覚めたか」 裕司の舌が首筋を這った。 「とりあえず慶太を離せ」 「離してやれってよ」 「もうすぐ終わる」 後ろをガンガン突かれ、慶太は悲鳴をあげていた。 そして、前後に激しく揺れていた動きが止まった。 慶太を掘っていた男がイッたみたいだ。 フェラさせていた男は扱き、慶太の顔に出した。 俺は辺りを見渡し、慶太の脱ぎ捨てられた服を目で追った。 「お前、自分のした事がわかってるのか?こいつはかなり力を持ってる議員の息子だぞ」 「だからなんだ」 「訴えられたいのか?」 裕司が言葉に詰まる。 「わかったなら二度と俺たちに近づくな」 慶太の服を拾い、慶太の腕を後ろ手に縛っていたタオルを取ると、大丈夫か、と俺は慶太の肩を抱いた。 「大丈夫」 慶太は気丈に振舞った。

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