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Sweet Baby Doll Ⅱ

「直接、さわれ、よ」 「やだ、折角かわいいの着てるんだから、今日は最後までこのままする」 「さいごって・・・」 言いながら、天海は途中で口を閉じた。単純な刺激でぴんと勃った乳首をもう一度吸うと、頼りない布は唾液を吸い込んで、天海の肉付きの薄い胸に張り付いている。 「天海さん、見てよ。おっぱいのない女の子みたい」 「・・・よ、くわかんな・・・っ」 首を振って天海がそう言うのに、天海の視界ではよく分からないかと織部はもう一度それを口に含もうとした。すると天海が自分の腰に回されている織部の手を取って強引に外して、その指を深く銜えた。それは指をなめる、なんていうかわいいものとはかけ離れていて、織部の手の指の付け根が隠れるくらい、ともすれば手を全て口の中に収めてしまおうとするみたいだった。 「んっ、ん、ぁ」 きっとわざと口を半開きに開けた天海のそこから透明な唾液が滑って、天海の白い太ももの上にぽたぽたと落ちた。背筋が簡単にゾクゾクする。きっと天海はそういうことを、お互いが気持ちよくなるためのパフォーマンスだとしか思っていないだろうが、それは織部の下半身に直接響いて、痛いほどだったから、多分天海の思惑通りになってしまっているとその時それを見ながら織部は思ったが、それを止めるすべが織部にはない。天海はセックスをする時に、自分ばかりが受け身になるのを酷く嫌がる。たまには寝転んでるだけでいいよと織部が言っても、それじゃ気持ちよくなれないとばっさり言い返されたことがある。自分ばっかりされて、気分悪いんだろうなと、その熱を持った目元を見ながら織部は考える。 「天海さん、俺の指おいしいの?」 「んっ」 「それとも口の中犯されたくなってきちゃった?」 天海は織部の手を半分ほど口の中に入れたまま、こくりと頷いて見せた。そういう時、あんまりにも天海が気持ちいいことに従順だと、織部は少しだけ怖くなる。そういえばここにはじめて引き入れられた時も、天海のことを怖いと思ったことがあった。そんなに前のことではないはずなのに、それはもうずっとずっと昔のことみたいに、織部はそれをぼんやりとしか思い出せないでいる。 「素直でいい子、いいよ、舐める?」 そう囁いてやると、天海はずるっと織部の手を口の中から出して、自分の唾液でべたべたになったそれに、まだ少し名残惜しそうに唇を寄せる。多分、天海がいつも以上に興奮しているのだとしたら、自分はそれ以上に興奮しているに決まっていた。ベルトを抜いてジッパーを下ろしていると、天海がじれったそうに手を出してくる。下着の上からでもそれが既に形を変えているのが分かって、なんだかこの段になって織部はそれが恥ずかしいような気がしたが、さっさとそれを脱がそうとする天海はそんなこと全く考えていない。 「ちょっと待って、天海さん」 「なん、だよ、待てない」 言いながら天海は、織部のほとんど勃ち上がったそれに、躊躇う素振りなんか少しも見せずに唇を近づけた。その肩を掴んで止める。 「俺も舐めたい、から、顔跨いでくれる?」 「・・・―――」 天海は織部のその提案に、少しだけ眉をひそめた。自分は簡単に男のそれを銜えるくせに、織部がするというとやっぱりそういういやそうな顔をするのだ、毎回。天海のそれが上手いのは重々承知しているつもりだったが、そんなに下手くそかなと嫌そうな顔をされるたびに思う。尤も今まで散々そうやって簡単に男のそれを銜えてきた天海と、される一方だった織部では技術に雲泥の差があることを、何が悲しくても認めなければならないのは分かっているが。天海は一度、そこで嫌そうな顔はしたものの、フェラチオしたい衝動にそれは敵わなかったらしく、黙ったまま寝転んだ織部の顔を跨いだ。そしてもう何も言わせないみたいな性急さで、一気に喉の奥まで銜えられる。びりびりと快楽が背中を走って、一瞬頭がショートする。 「・・・あ、ま、みさん、もちょっと、ゆっくり、して」 「はんだ、よ、ううふぁい」 「銜えたまま、しゃ、べんないでって、ゆってる・・・」 やらしい水音を立てて、たぶんわざと立てて、天海は口から織部のそれを抜くと、手でゆっくり扱きながら緩々とまるでそれがなにか美味しいものでもあるかのように舐め始めた。一応、それで織部の要求は飲んでいるつもりなので性質が悪い。 (ほんとにこの人はやばい・・・) 考えながら織部は、天海の勃ち上がってショーツからはみ出してしまっているそれにキスをした。 (上はどうにかなってもやっぱり下ははみ出るよな・・・) 布越しに指でつうっと撫でる。バックスタイルには散々悩んで、Tバックのほうが絶対えろいからという理由で布の少ないものにした。天海は男のくせに、前を触られるより、後ろを触られるほうが感じやすい。こんなになるまで男とヤリつくしたのかと思って呆れたり、虚しくなることもあるけれど、もう過去のことばかりを言っていても仕方ないことは分かっているつもりだった。ピンク色の孔の周りをほぐすように触ってから、指を入れると天海の体がびくっとまた震えた。 (ん・・・?) 指を抜くとたらっと中から透明のローションが出てきて、天海の太ももをゆっくりしたスピードで伝っていく。 「ちょっと天海さん!また自分でローション仕込んで・・・!」 「なんだよ、すぐはいるぞ」 「そういうことすんなって・・・あー、中舐めてあげたかったのに」 「きもちわるい」 言いながら天海は、織部のそれにもう必要以上の刺激を与えないように根元を吸っている。何となく何度もセックスをしているので分かってくるが、天海がそうしはじめたらもうフェラチオには満足していて、いよいよ挿入を待っているのだ。考えながら織部はそれでも少し名残惜しくて、諦めたくなくて、確かに天海が言うように、そこはぐずぐずに拡がっていたけれど、指で掻き回さずにはいられなかった。 「気持ち悪くないでしょ、中舐められんの好きなくせに」 「んっ・・・もう、挿れろ」 「はいはい」 天海をベッドに寝かせた後、体を起こすと、天海は自分の顔についた織部の先走りを指ですくって、まるで続きをせかすみたいにぺろぺろと舐めていた。その天海の真っ白の肢体に、派手に巻き付いた男の欲情を煽るためだけのベビードールを、そうやってまじまじと見つめていると、やっぱりそれは天海の体に馴染んでいるようでいて、ひどい違和感だった。 「おりべ」 「なに」 「きつい、これ、もう脱いでいいだろ」

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