セリファは最近また新たな悩みが出来た。 「セリファ、おいで」 ラフェルに名前を呼ばれるとなんだか変な気持ちになる。嫌なわけではない寧ろ嬉しい。 「ラフェル様。今日４回目だけど」 「うん。やっぱり軽くだと足りないみたいだから、少し多くもらってもいいか？」 最近、魔力交差をキスで行う様になった二人なのだが、それがとんでもなく気持ちいい。 セリファは実はその事で悩んでいる。 「うん。だけど、我慢出来なくなる前に止めて欲しい・・・」 初めてラフェルとキスした時、セリファは気持ち良すぎる魔力交差に一人で達してしまった。それ以降余り深くキスしないようラフェルにお願いしているのだが、その調整が結構難しいのである。 「構わないよ。無理だと思ったら私の肩を叩いてくれればいいから」 そう言ってラフェルはセリファを膝に乗せ抱えると下から掬い上げる様にキスして来た。 柔らかいラフェルの唇がセリファの唇に重ねられるとセリファはその感触にうっとりした。 彼の唇は何度もセリファの唇を軽く食んで重ねられ、時折舌が唇の裏側をなぞっていく。 ごく微量の魔力であってもセリファには刺激が強い。 正直毎回、下半身に響く。 「・・・ん、ふぅ」 「・・・セリファ、唇を開いて」 そう耳元で囁かれ言われた通りにすると、ラフェルの舌がゆっくりとセリファの口内に侵入し、その舌先に少しだけ触れる。ほんの少し触れただけなのにやはりラフェルの舌はセリファには気持ち良すぎた。 しかしセリファはラフェルの肩を叩かなかった。 ラフェルが舌をぬき、軽く唇を当てたままセリファの様子を伺っている。そんなラフェルに悟られない様セリファは軽く頷いた。 すると彼は少し微笑んで、また唇を重ねてくる。 しかし今度はちゃんとした深めのキスだった。 （ーーーーーーッぁ！す、ごぃ・・・） 厚い舌がセリファの舌を何度も絡めとり撫で回している。触れている部分から快感が生まれ、身体中に広がっていく。それが魔力だとセリファにも分かった。 （気持ちいい・・・口の中、溶けそう・・・） 「・・・っセリファ・・・どう？まだ大丈夫？」 キスの合間に大丈夫かと問われるが大丈夫ではない。 しかし一番大丈夫じゃないのは、この行為を続けたいと思ってしまう事だとセリファは思った。 本音はもっとラフェルに気持ち良くして欲しい。 「だい、じょうぶ。続けて・・・」 「他の場所にも、少し触れるよ？」 ラフェルの舌がセリファの歯の裏側や舌の根元をくすぐりながら舐め、それに合わせてセリファの腰を支えていた手がゆっくりとセリファのお尻を撫でた。 まだそれ程筋肉の付いていない柔らかい双丘を何度も撫でられるとセリファは無意識に腰を揺らした。 （っう・・・そこじゃなくて・・・いや、違う！これはエッチな事する為にしてるんじゃないし・・・で、でも） キスされただけで達してしまうのは確かに恥ずかしいが、始めてしまえば正直最後までしたいと思うのは男の子の性(さが)である。 因みに二人の股間は、この時点でしっかり固くなっていた。 「ら、らふぇ・・・」 「やっぱり少し多過ぎたかな？セリファ感じ過ぎて固くなってる」 しかしラフェルがその場所に触れる事なく、そことは別の胸の飾りの先端を指の先で軽くこすられた。 「あ、んぅー！！」 「今日はセリファが許してくれる所までしようか？」 王宮で騒ぎを起こした日からラフェルの様子が少し変わったとセリファは思う。 何がと問われるとハッキリとは答えられないが、なんとなく少し意地悪になった気がするのは気のせいだろうか？ 「・・・らふぇるさま・・・」 「ん？」 「・・・下、キツイ・・・さ、触って・・・」 顔から火が出そうな程恥ずかしいが、ラフェルはセリファが言わないと触ってくれない。 羞恥よりもスッキリさせたいという気持ちの方が強くなってしまっていたセリファはもうずっとジクジクと渦を巻いている腰の疼きを解放したくて堪らなかった。 「いいよ。その代わり・・・今日は、手じゃなくて口でしてもいいかな？」 半端惚けながらセリファは首を傾げた。 単純に口でするという意味が彼には理解出来ていない。するとラフェルは手早くセリファのズボンの留め金を外しズボンと下着を一気に引き抜いた。 その勢いで中に収まっていたセリファの固くなっていたものがぷるんと飛び出し、ラフェルの前に丸出しになる。これには流石に惚けていたセリファもたじろいだ。 「ひぇ！？」 「大丈夫、男同士だから恥ずかしくないよ。気になるなら目を閉じて」 そんな事言われても気になって目なんて閉じられない。セリファは口元を手で押さえたまま涙目でラフェルを見つめた。ラフェルはそれに微笑んで応えるとセリファの身体をソファーに寝かせ自分はソファーから降り身体をかがめた。 そして、セリファの脚の間にその整った顔を埋めた。 「ーーーーーーッぇ？ひゃ！？」 そこまでされて、セリファはやっとラフェルの言葉を理解し大混乱に陥った。目の前でラフェルが自分の陰茎に舌を這わせている。彼の舌に、その表面を下からなぞられた途端セリファはまともに思考出来なくなった。 「〜〜〜〜〜ぃあっ・・・は・・・っまって、それ気持ち良すぎる！でる！！」 「いいよ。そのまま欲しい、セリファ」 何を？と問い返す間もなくラフェルの口がビクビクと痙攣しているセリファの竿を根元の方まで咥え込んだ。そして熱い舌と口内の肉壁で敏感なセリファの陰茎を包み込み刺激する。 （うそだろ？こんなの無理気持ち良すぎ！出る！出ちゃう！！） セリファは初めて受けるラフェルの愛撫に成す術なく喘いだ。身体を震わせ耐えようとしたが無駄だった。 「あっーーーーーーッ！ぁあ！もぅ、だめ！」 魔力交差の快感とラフェル本人から与えられる刺激とでセリファはあっという間に頂点まで追い上げられ抵抗する事も出来ず自分の溜まっていた欲望をラフェルの口の中に吐き出してしまった。 快感の波がまだ引かないセリファは、それでも自分がとんでもない事をしでかした事だけは分かった。 「やっ・・・らふぇるさま・・・ごめ・・・」 今にも泣き出しそうなセリファに口に吐き出された本人は平然と目を綻ばせた。そして、口の中のモノをしっかり飲み込むと口の端を舐めた。 その行動に、セリファは絶句した。 「うん。凄く濃い魔力だったよ。ご馳走様セリファ」 そう言われ、これがエッチな事ではなく魔力交差だった事をセリファは再び思い出したのだった。