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第29話*【それぞれの魔力交差】
ルミィールが【シルビー】だと知らされてから数日が経ち、エゼキエルとルミィールは今のところ問題なく魔力交差を行えている。とはいえ、ルミィールが肌の接触以上を許していない為、エゼキエルとの魔力交差には、かなりの時間を浪費していた。
「ラフェル様、セリファ様がお越しになりましたが、お通ししてもよろしいでしょうか?」
「ああ。通してくれ」
セリファがルミィールの付き添い時ラフェルの所に訪ねて来たのは今回初めてだ。何か起こったのかとラフェルは身構えた。しかし、部屋に入って来たセリファは至って変わった様子もなく、遠慮がちにラフェルの近くまで歩いて来た。
「今日はルミィールの付き添いだろう?離れて大丈夫なのか?」
「うん。その、ルミィールも今のままじゃ効率が悪い事に気が付いたみたいだ。俺は邪魔みたいだから・・・」
少し頬を赤らめながら目を逸らしたセリファの様子でラフェルは状況を察した。恐らく、今してる以上の行為をルミィールが許したのだろう。
あの二人は一緒に暮らしていない為、前のラフェル達の様に頻繁に魔力交差を行う事が出来ない。だからといってルミィールがエゼキエルのところに何度も通うのにも限度がある。
「あの、ラフェル?」
声をかけられ顔を上げるとセリファがラフェルを心配そうに見下ろしている。ラフェルはセリファの頬に手を伸ばしかけて、直ぐにその手を下ろした。
「丁度休憩の時間だ。セリファ昼食を一緒に食べないか?」
「うん。俺、ここの食堂のご飯好きなんだ」
嬉しそうに笑うセリファにラフェルも微笑んだ。
ラフェルはセリファを抱いてから魔力交差以外で彼に触れなくなった。セリファは恐らく、その事に気付いているが何も言わない。
自分達の関係はただの契約。
お互いの利害が一致しただけに過ぎない。
セリファにとって重要なのは、恩人のラフェルを補助する役目を果たす事なのだろうと思う。
(それでも、セリファが私の側に居てくれるなら)
深夜、身体を赤く染めながら必死にしがみついてくる愛しい存在が腕の中にいた。まだ慣れる事ない愛撫を受け、辛そうに耐えるその姿が可愛くて堪らない。
「・・・っぁ・・・っあぅ・・・ラフェル、だめっ・・ぁ、そん、なに、中擦らないで・・・」
「中、気持ちいい?このまま一度射精 してしまおう。前も一緒にしてあげるから」
「あ、んぁ!?はぁ・・・そんな、こと・・・」
セリファの秘所を指で解しながら限界が近いセリファの欲望を口に咥え、彼の弱点を探っていく。締まる指を押し込んで、すこし膨らんだその場所をコリコリと擦ればセリファは我慢できず身体を弓形に逸らし呆気なく欲望を吐き出した。
「ひっ!?ーーーっゃあ!!いやぁあ!」
ラフェルは喉に流し込まれるセリファの魔力を飲み込んだ。そうする事でもたらされる強烈な渇きと熱を必死で耐え、口に咥えていたものをゆっくりと抜き取ると、まだグッタリとしているセリファの両足を開き、指で解した場所へ自分の欲望の先端を擦りつけた。
初めて身体を合わせた時によりも性急なラフェルの行為にセリファは戸惑っていたが、彼は構わず腰を押し込んだ。
「ーーーーーーひんっ!」
強引に突き上げられたセリファは痛みよりも強い快感に襲われ喘いだ。恐らくラフェルの濃い魔力により触れる場所全てが敏感になっているのだろう。まだ動かしていないラフェルの陰茎にセリファの肉壁が勢いよく吸い付いているのが分かる。
「・・・っはぁ・・ラフェ、ル・・・待って、俺まだイったばっか、で・・・」
「うん?動いてないよ。セリファが準備出来るまで待ってる」
そう言われたセリファは辛そうに身体を震わせた。
ラフェルには分かっている。セリファはこのままラフェルに中を突いて欲しいのだと。
「動かすのが辛いなら他の場所に触れても良い?ほら、ここならそれ程キツくないんじゃないか?」
返事が返せないセリファの言葉を待つことなくラフェルは指先で彼の胸の先端を優しく撫でたり摘んだりした。汗ばんだ頬や赤くなった耳朶に何度もキスを落としながらも、腰は固定したままである。
「ンッ!・・・ンンンッ!!もぉっ・・ぃやぁ〜・・・」
魔力交差をしながら行う性行為は通常のものより遥かに感度が増す。だからといって身体の負担が軽くなるわけではない。あくまで行為中は気持ちよくなるだけであり、理性を失い、やり過ぎれば後で大変なのはセリファの方だ。
だからこそ【シルビー】の番は【シルビー】を守る為に強い理性を保たなければならない。
大事な【シルビー】を壊してしまわないように。
「ラ、フェル・・・は、やくぅ・・っ動いてぇ」
涙目になりながら身体を震わせ、我慢出来ず腰を揺らすセリファの姿にラフェルは思わず喉を鳴らした。
先程から中に挿れたままの自分の欲望が我慢し切れずビクビクと脈打つのを感じている。今回は一度で済ませたいと思っていたラフェルはそれを諦めた。
「一度、中に出してもいいセリファ?そうしたら、中を突いてあげる」
「ーーーーーーッえ?で、でも・・・」
ラフェルのそれをセリファの中に出すという行為は、要は大量の魔力がセリファの中に送り込まれるという意味だ。本来ならそれでこの行為は終わる筈なのだが、恐らくそれだとセリファは達する事が出来ない。身体に熱を残したまま発散されず苦しむ事になる。
つまりその後の行為は魔力交差というより、それにより起こる身体の処置を施す行為、ただの精処理になるのだ。
「すまないセリファ。私も流石に魔力交差しながらだと保たない。一度イかせてほしい」
「・・・・・っぁ!?ぅ、うん!!だ、大丈夫、だから・・・・・・して」
それを合図にラフェルは奥まで押し込んでいた自分の肉棒を半分引き抜き、そのままセリファの浅い場所を擦りながらグリグリと押し付ける。
途端セリファの両足がピンと張り、ブルブルと震え出した。
「んあっ!?ーーひっぁん!ぁあっ、ぁああっ!!ぃぃいい!?〜〜〜ゃぁああああ"あ"!!」
「ーーーーーーッセリファ・・・」
必死でシーツを握りしめ快感に耐えようとするセリファを眺めながらラフェルはセリファがこのまま快楽に堕ちればいいのにと本気で考えてしまっていた。
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