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第41話【念願叶う】ルミィール*

ルミィールは子供の頃からよく女の子と勘違いされる愛らしい見た目の少年だった。 その為一目見ただけで大人達はルミィールに夢中になった。まるで人形の様な白い肌に輝く様なシルバーピンクの髪。瞳は色素の薄い水色で長いまつ毛が時折パチパチと瞬きする様がとても愛らしかった。 彼は幼少期何度も男に襲われかけている。 ルミィールの見た目は残念ながら一定の変質者に好まれる部類に入るらしい。それでも彼が今まで傷一つなく無事だったのは彼が【シルビー】だったからだ。ルミィールを見つけた大神官が手を回し秘密裏に彼を守っていたのである。 とにかくそんな経緯もあり、ルミィールは自分の顔を隠すようになった。言葉遣いも敢えて品のない言葉を口にするようにした。それでも自分に言い寄って来る者は容赦なく突き放した。 そんな彼が自分の恋愛対象が同性であると気が付いたのは12歳の時。性に目覚め始めた頃だった。 それなりに年頃だったルミィールはまだ誰にも恋した事がなく異性にも興味を持てなかった。 そもそも女の子といても楽しくなかったのだ。 当時はその事にたいして疑問を抱いていなかった。 おかしいと気づいたのは叔父の所で暮らし始め、そこの客だった男と仲良くなった時。 何度か話をする内にルミィールとその男は仲良くなった。男の職業は詳しくは知らなかったが恐らく剣士だったのだろう。かなり体は鍛えられており服を着ていてもしっかりとした筋肉の厚みが分かるほど良い体をしていたとルミィールは記憶している。 ある大雨の日、男が叔父の店にやって来た。 前日から隣町へ行っていた叔父に代わり店番をしていたルミィールは叔父の代わりに男を迎え入れた。 雨に降られた濡れた服を乾かす為、奥の部屋で服を脱いでいる男のたくましい身体を見たルミィールはその瞬間今まで感じたことのない痺れを経験した。 (す、すごい・・・僕とは、全然違う・・・) ルミィールとは二回りも歳の離れた戦士の身体。 首や腕の太さは勿論胸元も盛り上がり腹筋は割れていた。そして、その更に下にあるモノも・・・。 『ルミィール?どうした?』 『な、な、な、なん、でもなぃ!』 ルミィールはその日から暫くその男の夢を見続けた。 その夢では決まって男は脱いでいるが、肝心な場所はハッキリとは見えなかった。惜しい!! (駄目だ!駄目なのに!!) ルミィールはその日の夜、初めて精通を迎えた。 そして現在。 ずっと夢見た現物が今、彼の目の前にある。 「・・・っんっ・・れん、ぶわぁ、はひらなぃ」 「無理に・・・っ咥える必要なねぇ、よ。それ、よりお前・・・一体こんな事誰に、教わりやがった?」 ドクドクと脈打つエゼキエルの熱り立った先端を舌と唇で挟みながら、その根元を左手で扱くとピクピクと反応が返ってくる。 ルミィールは、正直とても興奮していた。 「うる、はぁい・・はゃ、く、らふぇよ・・」 先端から口を離し今度は咥えきれない根元部分までネットリと舌を這わし、更に下にある膨らみを右手で揉んで、その感触を楽しんだ。エゼキエルの身体は思った通りどこもかしこも逞しい。 (同じ男とは思えないなコレ。想像以上に大きいし) ルミィールは自分が同性愛者だと気付いてからもその事実を隠し通し今まで誰とも付き合った事はない。 何度も襲われた経験から他人を信用出来なかった事もあり、逞しい屈強な男は好みであったものの怖くて近づけなかったのである。 そんな彼は、今までエッチな妄想だけで欲求不満をやり過ごしてきた。 そして自分の性的嗜好は受け入れていたので知識だけは無駄に蓄えられたルミィールは一人エッチの上級者(プロ)になった。 そんな彼の感度は抜群である。 「ふぁっぁひ!?」 初めて間近に触れる大人の男の固さに夢中になっていたルミィールは、突然胸の先端を指で摘まれて思わず変な声を上げてしまった。正直それだけで射精しそうになり、慌てて手を止める。舐めている舌を離し、起立しているそれを握ったまま上を見上げると、薄らと笑い欲情を隠さないエゼキエルの金色の瞳がルミィールを見下ろしていた。 「そろそろ交代だ。気持ちいいが、これじゃ時間がかかり過ぎる。俺が取り込んだ方が早い」 そう言われ、そういえばコレはエッチではなく魔力交差だった事を思い出す。ルミィールは仕方なく手を離した。 しかし、彼は自分の念願が叶って、とり敢えず満足した。 (暫くはコレをオカズにしよ!) 本当はもっと色々したかったがルミィールは我慢した。そして、ルミィールは目の前のご馳走に夢中になり過ぎて肝心な事をすっかり忘れていた。 「じゃ、遠慮なく食わせてもらうぞ」 目の前の男に性癖を隠していた事を、である。 薄く開かれたルミィールの口内にエゼキエルの厚い舌が少し強引に侵入し、ルミィールの舌をしつこく舐めながら時折吸いついてくる。魔力を含んだお互いの唾液が行き合い刺激となって堪らずルミィールは腰を揺らした。 まだ触れられてもいないルミィールの先端から先走りが溢れ、同じ状態になっているエゼキエルの股間のモノと擦れ合ってルミィールは切ない気持ちにさせられる。 「っぅう"・・・んぅ」 「この調子だとすぐイっちまいそうだなぁ?先に解すか・・・」 ルミィールが理解するよりも早く何かが彼のお尻の谷間に滑り落ちた。その直後、下半身に圧迫感を感じルミィールは自分のお尻に何かが入ってきたのだと分かった。 (び、びっくりした・・・ゆ、指?だよな?一本なのに、ふ、太い・・・) 「・・・ああ"?なんだぁ?やけに柔らけぇな、ここ」 「ぅう〜〜っ・・・きゅ、急に動か、すな・・・そこ、はぁ〜」 お尻に指を入れられて抵抗するどころか益々股間を張りつめさせたルミィールに、エゼキエルは正しくルミィールの状態を理解してしまったようである。 「・・・ふぅん?成る程ねぇ?誰に仕込まれたかしらねぇが、も開発済みみてぇだな?」 ではなく自分で開発していたのだか、そんな事言えるはずもなくルミィールは真っ赤になった。 そして言い訳する間もなく指が増やされ中を太い指が動き始めたのでルミィールは考える余裕がなくなってしまった。 「っひゃ!っう・・・っう!?ゃっ!っぁん!っあ!そ、んな・・・つ、ょく、こす、らなぃでぇ〜!!」 「こんなえっろい身体で、よく今まで我慢してたな?じゃ、約束通り気持ち良くしてやるよルミィール」 強引に指を抜き差しされながらエゼキエルの舌や手がルミィールの肌を這い回る。そうして触れられる度に生み出される快感にルミィールは喘いだ。 (すごっ! ナニコレ!? 触れるとこ全部、気持ちいいっっ〜) こんなに気持ちいいのに、なんで今まで頑張って我慢してたんだっけ? ルミィールは、ふと疑問に思った。 ・・・・・・こんな事態を、避ける為である。

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