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第62話*【二人の問題】エゼキエルとルミィール
「・・・っぅん・・・んんっ・・っふあ・・・」
久々に身体を横たえた清潔でまともなベッドの寝心地はエゼキエルに想像以上の安らぎをもたらしていた。
しかしそれ以上に彼の心を癒やしているのは間違いなく今自分の腕の中に収まっている存在だと確信している。
「エ、ゼキえる?・・・・・んむっ!」
彼は濡れた瞳で少し苦しそうに息を吐く可愛らしい青年の不満を口で塞ぎ、離れている間ずっと欲していたその唇や肌の感触をじっくりと楽しんだ。
実際懸念していたエゼキエルの魔力はルミィールから離れただけでは不安定にはならなかった。彼が魔力障害を起こしていたのは魔物の大群に魔力の大半を使い果たし大怪我を負ったのが原因だった。それよりもエゼキエルにとって問題だったのは離れた事で想像以上にルミィールが恋しくなったことだった。
「っはぁ〜・・・やわらけぇ。何でこんな抱き心地いいんだ・・・やめらんねぇ」
「ーーーーーーッな、なに?きゅ、急に変なこと言い出して・・・ちょっ!?まだ脱がすな!明かりが・・・」
服を脱がそうとして抵抗するルミィールの態度にずっと我慢していたエゼキエルはとうとう不満を吐いた。
「なんでだよ。ついてるもんは同じなんだから恥ずかしがる必要ねぇだろうが」
「だからだよ!!アンタ自分と同じものついてる相手と、こんな事して平気なのかよ!萎えるだろ!!」
「・・・は?」
エゼキエルは意味が分からなかった。
そして一拍置き、その言葉の意味を理解し思わず顔を顰める。
「・・・え、な、なんだよ?」
「・・・・・・俺は、ちゃんとお前に許可を取ったよな?お前が本気で嫌がる事はするつもりなかったんだぜ?ここまで許しといて今更男に触られたくないとか、お前悪魔なのか?」
同性の男に抱かれるのが嫌なのはエゼキエルも理解できる。だからエゼキエルもその手段を最初は取らなかった。そもそも身体を許したのもルミィールからだった。
それにも関わらず今更同じ男だからと拒否されるのは納得いかないし拒否されたエゼキエルは正直ショックを受けた。
しかしそれを聞いたルミィールは慌てて首を振った。
「ちがーーーう!!そうじゃねぇの!僕が言いたいのは僕じゃなくて・・・エゼキエルは・・・・・・いや、もぅいいや。エゼキエルが気にしないなら」
「ぁあ"?言いたい事があるならハッキリ言っとけ気持ち悪りぃだろ?別に今更怒らねぇよ」
言い淀むルミィールの頬をエゼキエルは軽く撫でた。
不思議なことにルミィールの望みが拒絶以外であるならエゼキエルはなんでも受け入れられると思えた。
それよりも自分の危険を顧みず地下に閉じこもったエゼキエルを迎えに来た目の前の小さな存在が今は愛しくて仕方がない気持ちが勝っている。
「・・・エゼキエルが、僕の身体、見て・・・萎えないなら・・・」
エゼキエルはルミィールにここまで言わせてやっとルミィールが言いたい事を理解出来た。
そして思った。
「いや、そもそも勃たねぇなら最初から抱いてねぇよ。お前自分がどんだけエロいか自覚しろ」
「なにそれ!?僕が淫乱だとでも!?」
エゼキエルのからかい口調にルミィールは不満そうだが今度は抱き寄せても嫌がらなかった。
そんなルミィールにエゼキエルは安堵する。
「俺は、自分がしたくない事はしねぇ主義だ。だからくだらねぇ心配なんざする必要ねぇよ。お前は自分の心配だけしてりゃいい」
「・・・そうしてるつもりだけど?」
いつも通り素直じゃないルミィールだが、エゼキエルは気にしなかった。ルミィールの温もりがエゼキエルを癒していく。
「・・・俺が嫌いか?」
「・・・え?」
出会ってから今まで確かめられなかったルミィールの本音をやっと聞く気になったエゼキエルは間近で自分を見上げる青年の返事を待った。もし、その答えが自分の望むものではくても今なら許せる気がしたから。
ルミィールの答えはこうだった。
「僕は、自分のしたくない事はしない主義だ」
それは先程エゼキエルが言った言葉そのものだ。
「あと、本当に嫌な相手に勃つわけないだろ?」
いつもなら憎たらしいと思ったかもしれない。
けれどエゼキエルは心が満たされた。
「そうかよ。俺はお前の事を気に入ってるぜ?お前以外が俺の【シルビー】だなんて考えられねぇくらいにな」
「・・・え?」
いつもとは何か違うエゼキエルにルミィールは戸惑うが、されるがまま服を脱がされエゼキエルに包み込まれた。エゼキエルの傷だらけで固い手のひらがルミィールの身体の白い曲線を撫でていく。先程まで口内を愛撫していた厚い舌に敏感な場所を何度もしつこく舐められるとルミィールは耐えきれず強請るようにエゼキエルの怒張に手をかけた。
「ーーーッはっもぉ、もぅ・・・はやく・・・っぁぅん!」
エゼキエルは太い指の先をルミィールの双丘の窪みにゆっくりと差し込むと彼の顎を軽く掴み、その顔がよく見えるよう上向かせた。そのまま指で中をかき回してやるとルミィールは震えながら涙目で腰を揺らす。
「っぁん!んっ、やぁ!え、えぜき、えっ・・・んっ!」
少し柔らかくなった窪みを押し入って、もう一本の指を根元まで押し込み、中にあるしこりを何度も引っ掻くと中の肉壁がギュウギュウと指を締め付けてくる。エゼキエルはそのままルミィールが果てる姿を見たいと思った。
「心配なら俺がお前で萎えねぇって証明してやるよ。気付いてるか?俺達、さっきから魔力交差してねぇんだぜ?」
「ーーーーーーッふぁ!?へ?っあ?ぁあ!?やっ!もぅ、もぅ僕だ、だめぇぇえええ!!」
ルミィールの悲鳴と同時にエゼキエルの鍛えられた腹部に勢いよく白濁が吐き出されそれを吐き出したルミィールの先端はピクピクと痙攣している。エゼキエルは快感で呆けているルミィールの腰を持ち上げると言葉通り萎えない自分の欲望をルミィールの中に埋め込んだ。
「ーーーーーーッぁひ!?」
充分に解され準備されたその場所は容易くエゼキエルを受け入れ締め付ける。それが堪らなくエゼキエルを興奮させた。
「何を気にしてんのか知らねぇが俺をその気にさせた責任は取ってもらうぜ?いいだろ?ルミィール・・・」
翌朝
二人はお互い口には出さなかったが大満足の朝を迎えたらしい。
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