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第28話
カイと瞬が居なくなった後もしばらくソラは呆然と立ち尽くしていた。
瞬はリクが好きで、リクに告白して、セックスした...つもりだけど、リクではなく、カイで...。
頭が混乱しているようだ。
ソラが帰宅すると、何も知らないリクがおかえり、と出迎えてくれた。
「2人とも遅いから、夕飯作っといた、焼きそばだけど」
「そ、そうなんだ。カイは?」
「さっき帰ってきて、部屋行ったけど」
「リク、先にお風呂にしたら?僕、ちょっと、カイに話しがあって...」
リクはロンTにデニムにエプロンをした姿。片手には菜箸を持ち、きょとんとしている。
「カイに?なんの話し?」
「り、リクには関係ない話し」
「俺だけのけものかよ」
ソラはドキッ。
「なーんてね。じゃ、俺、先に風呂にしようかな。久々、料理したら油飛んじゃったし」
「そうなんだ。焼きそば楽しみ。ゆっくりね、ありがとう」
ソラの言葉にリクはにっこり微笑むとお風呂場に向かう。
リクを見送りながら、ソラは3人部屋へと向かう。
開けると、カイは何食わぬ顔でベッドに寝転び、ゲームしている。
「あ、ソラ、おかえり。遅かったな」
どう切り出そう....ソラは、
「う、うん...」
自分のベッドに座り壁に背中を寄りかけて漫画を読んだ、ふり、を続けた。
しばらくの沈黙のあと。
「...どういうつもり?」
「なにが」
ソラがちらり、漫画から視線を逸らしカイを見る。
カイは変わらずゲームを続けている。
「...あの人、瞬、て人。リクに告ったみたいだけど」
カイの表情が変わり、起き上がると、ソラを見た。
「まさか、お前、見てたの?」
うん、とソラは頷くと、
「なんでリクを好きな瞬とセックスしちゃったの?」
カイは胡座をかき、唇を尖らせた。
「しゃーないじゃん。ムラムラしちゃったんだもん」
「だからって...」
「それに。間違えたアイツが悪い」
「....」
不意にドアが開き、髪の毛をバスタオルで拭きながらリクが部屋に入ってきた。
「あー、スッキリしたー。2人も入ったら?焼きそばもあるけど。あとで3人で食べようぜ」
明るい笑顔のリク。
ソラとカイは互いに唇を尖らせ、睨み合いっこ。
「どした?喧嘩?」
「違うよ」
カイとソラが同時に否定し、リクは変なの、と首を傾げ、2人を眺めた。
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