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第30話
リクは突然、ベッドに押し倒され、唖然となった。
読みかけの漫画本がカーペットの床に放りだされる。
「な、なにすんだよ、いきな...っ」
覆いかぶさった瞬に再びキスされ、抗った。
「こないだはあんな積極的だったのに。どうしたんだよ」
瞬の不思議そうな瞳と訝しんだリクの視線が交わる。
「こないだ...?」
「やっただろ?なに、今になって恥ずかしくなっちゃった?」
しばらくリクは頭を捻り、奪うように自分の鞄を手にすると、慌てて瞬の家を出た。
走って、自宅に戻り、3人部屋に入ると、リクとカイがいた。
「どうするつもりなの、カイ」
「どうするったって...」
リクの帰宅に気づき、カイとソラは無言になった。
「どういうことだよ。瞬となにがあった?俺、襲われかけたんだけど。意味わかんね」
ソラは、ほらね、とカイに呟いた。
事の経緯をカイが面倒くさげにリクに説明した。
「ソラにも言ったけど。間違えたアイツが悪い」
「お前が誘惑したんだろ」
リクの低いが強い口調に、カイはだんまりだ。
「瞬は俺の大事な親友なんだよ。傷つける訳にいかない」
珍しく、リクは運動座りの膝を抱えて悩んだ。
心配したソラはリクの背中を優しく摩る。
「...決めた。俺、瞬に白状する...」
リクは呟いた。
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