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第33話

「ほら、ソラ」 コンビニの入り口に座り込んでいたソラにバイトを終えた恭一が、ペットボトルのミルクティーを手渡した。 「ありがとう...」 「ソラ1人、て珍しいな。喧嘩でもしたか?」 「喧嘩、て訳じゃないけど...」 いきさつをソラはゆっくり丁寧に恭一に説明した。 「リクを見ていたら辛いんだ。でも、どうしたらいいか分からない...」 「ソラはなにも悪くないよ」 ミルクティーで手のひらを温め、しょんぼりしている、ソラの小さな頭を恭一は優しく撫でた。 「リクに元気になって欲しい...から元気なリクじゃなく....」 俯いたまま呟く、ソラの横顔を恭一は見守った。 「あんま、考えすぎるなよ、ソラ」 うん、とソラは頷き。 恭一は自転車を押しながら、ソラを自宅まで送って行った。 ソラは帰路の途中で覚悟を決めた。 (...僕がカイのフリして瞬に謝ろう....!)

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