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第34話

数日後の放課後。 ソラは緊張で心臓が飛び出しそうになりながら、リクと同じ、瞬のクラスへと歩いた。 背の高い、黒髪の瞬がいた。 リクがいないかを確認し、見渡したが、いなかった。 1度、小さく咳払いし、声色を変える準備。 「しゅ、瞬。聞いて欲しい事があるんだ」 「...今更なんだよ」 「い、いいから、来て」 瞬の腕を掴み、教室を出る。 「なんなんだよ、一体、リク」 たまたま、カイのクラスに来ていたリクが廊下を歩く2人に気づいた。 ソラは心臓をバクバクさせながら、瞬と校舎裏に来た。 「またここかよ、一体なにがしたい」 「ごめんなさい!」 ソラは勢いよく深く頭を下げた。 「な、なんだよ、リク、いきなり」 「あ、あの日。あの、瞬が告ったあの俺、リクじゃなくって、僕なんだ」 「...どういうこと....?」 ソラは顔を見ることが出来ず、頭を下げたまま続けた。 「あの日、リクのフリしたんだ。僕はソラ」 「...ソラ?」 「リクの3つ子の弟です」 「お前がリクのフリして、俺を誘ったの...?」 「そうです。リクのフリして...瞬とセックスしました。リクはなにも知らなかった、リクはなにも悪くありません。仲直りしてください」 声を震わせながら、慎重にソラは話した。 「お前...」 ソラの体がビクッと震えた。 その時だった。 「ソラ!」 リクとカイが走ってきた。 「なにやってんだ、ソラ」 「リク、カイ...」 涙目のソラがリクとカイを見上げた。 「だから、リクは悪くありません!僕が誘惑したから、だから...」 「違うだろ」 カイが割って入った。 「なんでお前が俺のフリすんだよ、ソラ」 一触即発な瞬とソラの間にカイが立ち塞がった。

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