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第60話
「あっ、リク!」
ソラの声。自動ドアが開くとコンビニのカウンター前には既にカイとソラが来ていました。
ぜえぜえと息を切らしながら、リクも2人の所へ。
「心配したあ、瞬ともはぐれて、連れ去られてやしないか、て」
ソラの心配そうな顔に、慌ててリクは笑顔を作ります。
「ごめん、人だかりが凄かったからさ」
カイだけが無言でニヤニヤ。
「...なに」
「いや?実は瞬とこっそり抜け出してエッチな事でもしてたのかなあ、て」
「な訳ないだろ」
途端に真っ赤になったリクは反論です。
「そうだよ。おしくらまんじゅうみたいで僕達もここまで来るの大変だったじゃん」
なんら疑問を抱いていないソラに助かります。
「まあ、確かにそうだったけど」
「3人とも花火大会は楽しかったか?」
制服姿の恭一に言われ、全員、笑顔になりました。
「花火は見れた?リク」
カイに尋ねられ、うん、と頷きました。
瞬の部屋で2人で見た事は内緒です。
「やあ、リクくん、カイくん、ソラくん」
コンビニの店長も子供の頃から3人を知っています。
「夏祭りは楽しかったかい?しかし、浴衣姿かあ、大人になったもんだ、早いもんだねえ、あんなに小さかった子達が。そりゃ、私も歳とる訳だ」
店長さんが微笑ましい、とばかりに3人を見ます。
「あと、3時間近くあるし、一度、家に帰っとく?」
恭一が言うと、
「古賀くん、今日はもういいよ、お疲れ様。もう1人のバイト君ももうすぐ来るし」
3人と恭一が仲良しだと知っている店長から有難い言葉です。
「いいんですか?店長」
「ああ、客が多くて君も疲れただろう。3人と羽を伸ばしてゆっくりするといい」
まさか、セックスをする関係とは知らない店長です。
恭一は私服に着替え、3人と共にコンビニを後にしました。
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