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第61話

「お待たせ」 半袖の白地のTシャツにデニムの私服姿の恭一がコンビニの外で待つ3人のもとに。 4人で歩き、自宅まで到着すると、 「じゃあ、俺はここで」 リクが足を止めた。 「リクは行かないの?恭一さんち」 いつも一緒に恭一の家に行っていた。 ソラが不思議そうに尋ねる。 「うん。人だかりでちょっと疲れたから」 リクの笑顔。 カイはなんだかその笑顔に違和感を感じ、 「俺も。ソラは行ってこいよ。俺も家に残る」 「カイも行けよ」 「うっさいな。俺も慣れない浴衣と下駄で疲れたの」 暫し、リクとカイの言い争い。 心配になり、恭一と握っていた手をソラはギュ、と握り締める。 恭一も、大丈夫だよ、と言わんばかりに、優しく握り返してきた。 「...じゃあ、僕、行くけど、2人とも喧嘩しないでね?」 リクとカイは自宅へと入り、ソラは恭一と、恭一の部屋へと向かった。 リクは部屋に入ると、着替える為に脱いだ、浴衣をしばらく眺めた。 瞬が丁寧に付いたソースを綺麗にしてくれ、それから.....。 瞬の見慣れた筈の切れ長の瞳や思っていたより柔らかい唇や舌の感触が甦り、慌ててクローゼットにかけた。 カイも浴衣を脱ぐとTシャツと短パン。 「お前、なんかあった?」 ベッドに座り寛ぐカイがリクに聞く。 ふと、カイは瞬とセックスしたのを思い出した。 「...お前には死んでも言わねー」 そう言うとリクがベッドに突っ伏した。

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