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第63話

「...お前が好きなやつ、て瞬じゃないの」 リクに尋ねられたカイの目が丸くなる。 「なんで、俺が瞬のこと。まあ、イケメンだとは思うけど」 「...良かった?」 「なにが」 そこまで言うとリクは口ごもった。 「なんだよ、言えよ」 「そ、その...瞬との、その...せ、セックス、良かった...?」 カイがまたきょとん、となった。 「あんま覚えてねー」 「なにそれ、イッたんだろ?瞬で」 「ガンガン突かれまくったもん、そりゃ、イクこたイッたし、中出しされたけど」 聞くんじゃなかった....とリクは後悔した。 カイはもうなんてことないが、リクにとってはとてつもない敗北感とジェラシーが襲う。 「...なに?お前、瞬のこと好きになっちゃった?」 カイに言われて、リクはドキ! 「顔、真っ赤だぞ、リク」 「う、うるさい、黙れ」 わかり易く顔を真っ赤にしたリクを、笑いながらカイは冷やかした。

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