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第64話

「まあ、今まで俺たち、食いもんやら色々、好きになるもん、似てたもんなー」 カイは必然的に自分は瞬ではなく、海で知り合った連絡先もわからない近くの別の高校に通う相手が気になっていることを打ち明けた。 「で、いきなり、なんでまた、瞬を意識し出したの?」 カイが尋ねるなり、リクはまた真っ赤に顔を染めた。 「まさか、やったか?」 リクは頷いた。 「マジかー、そりゃ赤飯でも炊かなきゃな」 「き、キス、した....」 「キス!?」 カイの驚愕な声に真っ赤な顔で頷くリク。 「キスくらいでそんな照れてんの?」 「俺はお前と違って淫乱じゃないの!」 照れくささから、リクはカイに枕を投げた。 「淫乱、て失礼な...まあ、間違ってはいないけど」 「まあ、お前も軟膏、塗られたくらいで好きになるとか、ウブなとこもあるんだな」 途端、カイはリクに投げられた枕をリクに投げ返した。 しっかりリクに受け止められ、カイは舌打ちだ。 「...でも、そいつの高校、確か、サッカーの名門校だし、瞬、もしかしたら知ってるかも」 「大輝がサッカーやってるかわかんないだろ」 「サッカー部にそいつの同級生かクラスメイトいる可能性あるじゃん」 リクの閃きにカイは確かに、と頷いた。 「...お互いのこの話しは2人だけの秘密な」 しんみりしたリクの口調。 「なんで」 「ソラはずっと俺たち、3人は一緒だ、て信じきってる。一緒にいたい、て願ってるから、あいつを傷つける」 「...確かに3つ子だからずっと一緒、て訳にもいかないもんな。ソラの気持ちもわからないでもないけど」 こうして、2人の秘かな恋はソラには内緒の話しになった。

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