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第72話
夜分遅くにリクは帰宅した。
初めて一夜を共にし、しばらく色々とお喋りをしていたら遅くなった。
いつものように勉強していたものと思ったお母さんがリクのぶんも食事を作ってくれ、瞬は母子家庭なので、お母さんと瞬、大学生の瞬のお姉さん、リクとで食事をし、帰宅。
「遅かったね、リク」
「おかえり、リク」
ソラとカイの顔を見るのが照れくさい。
カイだけが、ニヤニヤ。
「あー、カイ、あいつの事だけど、夏休み中だし、みんなわからないんじゃないか、てさ」
「あー、だよな。常に友達と連絡取り合ってるかもわかんないよな...夏休みとなれば家族旅行、行ってる奴もいるだろうし」
2人の会話にソラだけが首を傾げる。
「なんの話し?」
「んー、人探し」
「人?誰?」
2人はそれぞれ、リクはお風呂に入りに、カイは大した事じゃないよ、とだけ。
ソラに隠し事をしてしまった、リクとカイは気まずかった。
恭一と3人で付き合いたい、ソラの当初の願い。
リクとカイはソラの健気な思いに今は戸惑っていた。
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