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第74話

せっかく連絡先がわかったというのに、いつもは積極的なカイが珍しく慎重です。 LINEを開いては閉じる、そんな日々が続いていました。 すっかりラブラブになった、リクと瞬は一緒にいる時はいつも勉強するか、部屋で漫画を読むか、セックスをするか。 マンネリにならないよう、瞬はリクを映画に誘いました。 リクも気になっていたアクション映画。 ビッグサイズのポップコーンとコーラを2つ。 2人は並んで座り、1つのポップコーンに手を伸ばしながら映画が始まるのを待ちます。 不意に瞬がポップコーンの箱の中に手を入れたら、ポップコーンではなく、リクの指でした。 「ご、ごめん」 「う、ううん」 突然、2人はドキドキしながら画面を向きます。 そっと映画に夢中なリクの横顔を瞬が見つめます。 同じく、リクは画面に見入っている瞬の横顔を眺めたり。 2人は互いに意識し合いながら、映画を楽しみました。 「面白かったなあ、映画」 「う、うん」 リクも瞬も実はあまり映画に集中できず、内容があまり頭に入ってはいません。 「なんか食べいく?」 リクが尋ねると、 「だな。あ、ちょっと待って。小便してから移動しよ」 2人は広い映画館の一角のトイレに連れ立って歩きました。

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