｢ただいまー｣ ｢おかえり、リク｣ ソラは声を掛けると、クンクン、鼻を啜ります。 ｢なんかいい匂いする...焼肉？｣ ｢うん、焼肉、食ってきた｣ お風呂に入ろうと部屋着を手にしたリクが答えます。 ｢えー！いいなあ、焼肉！ねえ、カイ｣ ベッドにうつ伏せになり、なにやら熱心にスマホと睨み合い打っているカイ。 ｢カイ？｣ ソラの声にようやくカイは気づき、うん、と答えましたが、何処か上の空です。 リクもリクで鼻歌を歌いながら部屋を出るとお風呂へと向かって行きました。 すっかりカイはスマホで誰かとLINEに夢中なので、ソラも釣られるようにスマホを開きました。 先日の花火大会の後、恭一が自撮りしてくれた一枚の写メ。 スマホの画面には、浴衣姿のソラが猫のソラを抱え、隣に座る恭一に肩を抱かれ、互いに満面の笑顔です。 ソラはにっこり笑顔になりました。 カイは大輝にLINEで好きな物などを聞かれ、答えていました。 (もしかしたら、大輝も....) 自分が気になっているように思い、夢中で大輝とのLINEを続けました。