75 / 77
第84話
リクとソラは互いのベッドに座り、リクが瞬から借りたコミックを読んでいる中、カイは2人を交互に見ながら、どう切り出すか、と胡座をかいている。
「リク、これの次の巻はー?」
「んー、多分、今、俺が読んでるやつ。ちょっと待って」
「り、リク、ソラ!」
同時にリクとソラがカイを見た。
「ふ、2人に話しがある。り、リクはある程度わかるかもしれないけど...」
「もしかして、上手くいった?」
リクの微笑みにカイは真っ赤な顔で頷いた。
「なに?なんの話し?」
リクは瞬、カイは大輝と付き合い始めた事をソラだけが知らなかった。
「そ、その...ソラには申し訳ないんだけど...」
カイの躊躇いがちな口調にソラは首を傾げた。
「待って。まず、俺から話す」
リクが読んでいたコミックをベッドに置き、きょとん、としているソラを見つめた。
「ソラは俺たち3人で恭一さんと付き合いたい、て言ったじゃん?ごめん、もう無理なんだ」
「...どういうこと?」
「例えば、今までお菓子が1つ余ったとして。いつもカイがそれを奪っては食べた。いつもソラが泣いた。俺が3つに分けて、それから、食いもんの事で争う事もソラが泣く事もなくなった」
ともだちにシェアしよう!