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第14話 側室は奪われる 2 *R18

 ピチャピチャといやらしい水音を立てて、陛下が俺の乳首を嬲り続けている。  最初はくすぐったいとか、なんだか変な感じだと思っていたのだが、丹念に吸い上げ時には舌で転がされ……きゅっとつままれて、ちりっと痛みを与えられる。  それを何度も何度も繰り返されて、ジンジンと先端が痺れて、ほんの少しの刺激に反応してしまっていた。  それと追随するように、俺の下半身も熱く昂っていた。腹の奥もうずうずとした不思議な感覚に襲われて、陛下へのご奉仕もままならない。 「はっ……陛下、俺が、ご奉仕、を」 「だめだ。今夜は花嫁に私が奉仕する番だ。イかせてやるからな?」  そんな話、聞いてない! 陛下に口で奉仕する方法を習ったが、あくまでも俺が奉仕をしろと指導されたのに! 「ぅあっ! そこは、ダメですっ」  俺の昂りを陛下が握り、ゆるゆると扱き始めて困惑してしまう。 「何がダメだ? こんなにも喜んでよだれを垂らしているぞ? 聞いてみろ」  ぐちゅっ、ぬちゅっ、ぐちゅっ……  自分で慰めるときとは大違いの感覚に翻弄されて、あっという間に達してしまいそうだ—— 「あっ、だ、め、だめ! あっ、あっ、出る! 離して!」  他人にも触れられたことがない場所を、よりによって陛下に握られ責め立てられている! ああ、どうしよう……気持ちいい……! 「イけ」  ぐりっと鈴口を抉られ、耐えきれずに白濁を撒き散らしていた。 「はーっ、はーっ……へいかぁ……」 「レオシュ、かわいかったぞ」  かわいい? 俺が? 「では、次はこちらに快楽を教えてやろう」 「んあぁ……」  先ほどまで陛下がいた後孔に、また指がつぷりと入ってきた。今度は最初から2本だ…… 「ん、あ」  俺の中を、陛下の指がバラバラに動き、優しく中を擦り、また広げられる。  陛下の指が、さっき痺れを感じた場所をとんとんと優しく突いてくると、俺の意思に関係なく腰が揺れてしまう。 「ふふふ……ここだな? もう誰もいない。安心して乱れるがいい」 「そん、な、あ、あぅぅ! あっ、ひっ」  これはなんだ!?   熱い、熱くて、脳天まで痺れるように気持ちが良くて、気が狂いそうだ——  その時、俺の陰茎が温かいものに包まれた。 「そ、んな……」  俺のいやらしく汁を溢す陰茎を陛下が、陛下のお口が—— 「だめ、だめで、あぅ」  抗議をすれば中の弱い所を揉まれ、言葉を封じられる。  ちゅぽ……  吸いながらゆっくりと、陛下のお口が俺を解放し、指を抜けて行ってしまった。 「あ、ああ……」  ここでやめてしまうのか……? いや、俺は何を!? 陛下にこんな事をさせておいて、やめないでほしいと思うなんて! 「物足りなそうだな」 「そんな、こと」 「正直に言ってくれ。私はそなたとは繋がりたい。そなたはどうだ? 無理をして抱きたくはない——」  こんなにも真摯に向かい合ってもらえるなんて、これほどの喜びがあるのだろうか。 「ほしい、です。陛下に、貫かれたい——」  ふ、と陛下の頬がほころんで、凛々しいお顔が無邪気なほほ笑みに変わった。 「レオシュ。今度こそ、本当の初夜だ」 「ギディオン陛下……」  足を開き陛下を導くと、両脚を肩に担がれもう一度深く陛下と繋がった。一度陛下を味わったそこは、多少の苦しさはあれど、柔らかく陛下を飲み込んだ。優しく指で解してくださったのもあるだろう。  そう考えると、苦しささえ悦びに変わっていく。 「動くぞ」 「は、い」  最初はゆっくりと、だが少しずつ陛下の抽送が早くなる。  ひと突きごとに内壁が擦られて、思わず陛下を締め付けてしまう。  初めてなのに、こんなになって恥ずかしい。 「咥えるのがうまいな、レオシュ……声を抑えるな」 「ん、ん、で、も」 「私しか知らない姿を、みせろ」 「ん、あっ、は、い。んん、はぁう!」  それがあなたの望みなら——  身悶えて、肌に吸い付く陛下を抱きしめ腰を揺らして、もっととせがむ。目の前がチカチカするほどの快楽の末に、腹の奥が勝手にビクビクと震える。 「あ、あ、へいか、こわ、い! 中が、変、で! ひぅっ! おか、しいっ」 「善いっ、のだろう? 大丈夫だ、それが、絶頂だ。体が、感じるままに、任せてイけ。——おかしくなれ」  怖がる俺を、陛下がよしよしと撫でてくれた。  そうか。おかしくて、良いのか。俺をこんなふうにしたのは陛下だから——  ゆさゆさと絶え間なく揺さぶられ、一瞬頭の中が真っ白になって全身が痙攣していた。 「~~っ!!」 「俺!も、っく……!!」  陛下の動きが止まり、体内を濡らされる—— 「ふ、う……」  それから2、3度、最後まで精液を吐き出すように突き上げ、陛下は俺の上にゆっくりと倒れてきた。 「あ、陛下、あまり、動かないで……」  ほんの少しの動きでゾクゾクと甘い痺れが何度も襲う。恥ずかしい。でも嬉しい。 「ふふふ。初めてでナカイキできるなんて、私の花嫁は優秀だな」 「ナカイキ……?」  ちゅっと唇にキスをしてから、陛下が俺の中からずるりと抜けていった。 「あ、ん……」 「——かわいいな。これすら感じるのか?」 「意地悪を言わないでくださいっ!」 「嬉しいからだ。かわいくていじめたくなる」  俺の隣に横になった陛下は、いたずらっ子のように笑った。その笑顔は王として家臣を引き連れていたときと違い、年相応の青年の顔だった。 「こんな……陛下よりも体の大きい俺がかわいいなんて、陛下はおかしいです」 「そうか? だが、おかしくてかまわない」  俺に腕を回し満足げな陛下が、とてもかわいいと思った。 「本当は、そなたを自由にしてやるつもりだった。だが、初めて会ったあの日を忘れられなかった。側室もそなただけで良いと言ったが、臣下たちは女が必要だと勝手に二人を入宮させた」 「——後継者が必要ですからね」 「子はいらぬ。弟が継げばいい。誰も娶らずに継承するつもりだったが、王宮は孤独だ」 「孤独……」  陛下が王となった経緯は俺にはわからない。だが、この方は豪奢な王宮にいながらたった一人だと感じておられるのか。 「後宮に、そなたを覗きに行ったことがある」 「気がつきませんでした」 「クククッ! ダディザン人は目敏いと聞いて、かなり距離を取っていたからな。後宮の中庭で、そなたは枝を剣に見立てて振っていた。枝だと言うのに、空気さえ切り裂くような鋭い太刀筋、美しい姿勢——その時、離せないと思った。男の身で後宮に入れるなど、先王と同じ愚行だが、どうしても私はっ……」 「陛下」  苦しげな陛下を、まっすぐに見つめる。 「俺は離れません。陛下の味方です。いつでも、どんな時でも、俺だけは陛下の味方ですから」 「レオ」 「いつでも後宮に来てください。陛下が疲れて逃げ出したい時、発散したい時、俺を思い出してください」 「ああ……」 「あなただけは、俺に何をしても良いんです。俺もそれを望みます」 「そうか。すまない」  陛下は喜びの中にも苦しいような微妙な顔で、俺は思わず吹き出した。 「くくっ! その返事は間違いですね」 「間違いだと?」 「ええ。ありがとう、と言ってください。謝らないで。そう言ってくれれば、俺は血の一滴まであなたに捧げます」 「——ありがとう」 「はい」 「ありがとう……」  俺は重い体を必死に動かし、陛下を抱きしめた。あなたに心を奪われてしまった。陛下の言葉は閨での睦言で、いつか捨てられるとしても、迷いは感じなかった。  抱きしめた俺の腕の中で体の力を抜いた陛下は、胸に顔を埋めて深呼吸をした。 「では——もう一戦良いか?」 「えっ!?」  陛下は絶倫というものかもしれない……その夜は意識を失うまで貪られたのだった。 ◇  突然、あの嵐のただなかに放りこまれたような初夜を思い出してしまった。   「レオシュ。この部屋におまえを迎え入れる日を待ち焦がれていた」 「俺もです。陛下」  ちゅっと啄むようなキスを楽しむ。 「抱きたいが、明日からおまえは儀式の準備で忙しくなる……終わったら、だな」 「頑張って覚えます。儀式が終わったら——」 「ああ。楽しみだ。それまでは抱きしめて寝るだけで我慢しよう」  王配となる儀式。それが終われば、俺たちは真の伴侶だ。

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