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第7話

「新しい奴入って来るってさ」 「マヂ!?」 「マスターから聞いた、どっか別の店からの移籍らしいよ」 待機部屋で売り専仲間たちの話し声を遠くに聞きながら、ユウはスマホを弄っている。 自分でも情けない、と思うのだが、未だにダイチの連絡先が消せないでいた。 ピコピコ音を立てながらダイチへのLINEを開いたり閉じたり。 送るメッセージなんてないのだけど。 「みんな、紹介するわね。入って、ミライくん」 ドアが開き、マスターの後ろに立つ、長身で細身な金髪なイケメン.... ユウは目を疑った。 ダイチだった。 「ミライくん。若く見えるし、お店ではハタチ、て設定にしてるから。みんな仲良くしてあげてね」 ダイチはユウには気づいておらず、 「ミライです、よろしく」 軽く会釈した。 ユウは夢か?とダイチ...ミライを穴が開くんじゃないか、というくらいに凝視した。 「他店に居たんだって?だったら教える事もないか」 ハヤトが立ち上がり、話しかけた。 ハヤトの表情に変化が見えた。 「...何処かで会った...?」 「俺、ボーイ買った覚えないけど」 ふと、座り込み、ダイチを見上げる視線がダイチの目に映った。 「どうして....」 ユウの呟きに答える暇はなく、ミライ、という源氏名のダイチはマスターに呼ばれ、ドアを開けると居なくなった。 まさかの元彼との再会、ましてや、互いに売り専のボーイとして。 ユウも、多分、ダイチも戸惑っていたに違いない。

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