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第38話 「これで最後にしよう」※
これが、最後だ。
「は、ぁ……」
「っ、イオリ。イオリ……」
エルは泣き出しそうな声で俺の名前を何度も呼ぶ。
泣きたいなら泣けばいいのに。我慢なんかしなくていいのに。
俺はエルの体を押し倒し、その上に馬乗りになった。
「……イ、オリ?」
「いつも俺がやられっぱなしだと思うなよ」
なんて強気なこと言ってみたけど、俺の経験値はコイツとの一回だけ。どうやればいいのか正直分からないけど、今回だけは譲れない。俺がリードするんだ。
これで、終わりだし。最後くらい、俺がコイツを満足させたい。
「う、動くなよ」
「……ふふ。うん、いいよ」
笑いやがったな。さっきまで余裕ない顔してたくせに。
俺だって思春期の男子高校生だったんだ。経験はなくても知識はある。
見様見真似だけど、俺はエルにしてもらったみたいに首筋に唇を這わせた。こいつ、パッと見は細いけど、しっかり鍛えてるよな。さすが勇者。
肌に吸い付いてみたけど、うっすらとした痕にならなかった。難しいな。漫画とかで見るキスマークってどうやってるんだよ。
「……大丈夫?」
「うっせー……いいから黙ってろ」
俺はエルのズボンのベルトを外して、ゆっくり下げた。下着越しでも分かる大きさ。これが、俺の中に入ったのか。前回はやられっぱなしでしっかり見なかったけど、前世の俺より大きくないか。これ、マジで入ってたのかよ。
ここでビビったら駄目だ。決めたんだから。
俺は下着もズラして、エルのモノを露にする。
「……っ」
なんでもう勃ってんだよ。元気じゃないか。
臆するな。俺ならやれる。
ゆるく勃ちあがったそれに、そっと唇を当てた。熱いし、硬い。
舌で昂ったモノを舐める。男のそれなんか気持ち悪くて口にするなんて考えられないのに、エルのモノなら平気だと思えるのは何でだろう。
先を舌先で舐めると、エルの体がビクッと跳ねた。やっぱり先っぽは弱いんだな。
「っ、イオリの口、気持ちいいよ……」
「ん、んぅ……」
アイスを舐めるみたいに、俺は必死でそれを愛撫する。
口に咥えて、歯を当てないように気を付けながら顔を上下に動かした。喉が苦しいけど、エルが気持ちよさそうに小さく声を上げてる。
その声聞いてるだけで、俺も少しドキドキしてくる。
この前のことを体が思い出してるのか、触ってもいないのに俺のモノまでしっかり勃ってるのが分かる。
体の奥が熱い。疼いて仕方ない。
欲しい。
もう一度、この熱を体の奥で感じたい。
「……っは、ぁ。だらしない顔だな、勇者様」
「イオリこそ……凄い顔だよ」
ベタベタの口の周りを袖で拭い、俺は自分のズボンを下げた。
さすがに何もせずコイツのを挿れたらマズいか。俺はまたエルの上に馬乗りになって、唾液で指の濡らし、自分の後孔に触れた。
思い出せ。エルがどうやったか。ゆっくりナカに指を入れて、コイツのモノが入るように慣らす。俺の指じゃ、全然奥まで届かない。もどかしい。欲しいところに届かない。エルのが欲しい。そう思うだけで、俺のモノから先走りが溢れ出てくる。
「凄い眺めだね……見てるだけで興奮するよ」
「見世物じゃねーよ……」
もう我慢できない。
俺は自分の後孔にエルのモノを当てて、ゆっくりを腰を落としていった。
「……っ、ん!」
「っ、く!」
さすがにまだキツかった、けどゆっくりやれば大丈夫だ。てゆうか、コイツのがデカいのが悪い。
ゆっくりとナカを押し広げて、エルのモノを受け入れてく。
圧迫感も凄いけど、それ以上に満たされてる感覚の方が大きい。前に知った、気持ちいい場所にコイツのモノが当たって、背中がぞくぞくする。
「っ、あ、ぁんっ!」
「っ、きつ……痛くない?」
「へ、ぇきだ……! お前は、動くなよ……!」
ゆっくり俺は腰を上下に動かした。
ヤバい。気持ちよくて、力が抜けそうだ。エルの胸に置いた腕が震える。
でもここで余裕ないところなんか見せたくない。俺は声が出ないように唇をぎゅっと噛んで、律動を繰り返した。
「っ、ふ! ぅんっ、ん!」
「……っ、イオリ。口、傷になっちゃうよ」
「うっせ、よ!」」
「それに、さっきから浅いところまでしか入ってないけど……それじゃあいつまで経ってもイケないよ?」
「う、うっせーって……!」
腰が引けてるのがバレたのか、エルが小さく笑った。
ムカつく。俺が主導権握りたいのに、上手くいかない。
もっと、もっと奥まで。俺だってもっと欲しいけど、怖くもある。
「仕方ないな」
「え……っ、あああ!」
エルの手が俺の腰を掴み、一気に奥まで貫いてきた。
最奥まで突かれ、体が大きく跳ねる。ヤバい、軽くイきかけた。意識飛ぶかと思った。
「お、まっ……!」
「ごめんごめん。でも、イオリだって好きだろ? 奥突かれるの」
「ん、なこと、な、いっ!」
エルに腕を掴まれ、支えをなくした俺はもう自分で動けなくなってしまった。
足も震えて、体を浮かせられない。エルのモノが奥まで届いたまま、ナカでビクビクしてる。それだけで俺の体は感じてる。気持ちいい。
「動かないの?」
「う、っひゃ、い……」
「ほら、そんなんじゃ俺、イけないよ」
「ひっ、ぅん! や、ぁ、うご、く、な、ぁあ!」
下から突かれ、俺はもう声を抑えることが出来なかった。
お前、体格差ってものを考えろよ。俺のナカ、エルのでいっぱいで、一番感じるポイントを狙って突いてくる。
もうダメ。おかしくなる。頭、変になる。
「ひ、あ、あぁああ、あっ!」
「っ、すご……」
「あぁぁあ、あ、おく、だめ、ぇ」
「でも、イオリの体は喜んでる」
「ああ! あぁ、ああ!」
もう主導権とか、そんなのどうでもよくなる。
エルの顔も、だらしない顔になってるし、俺の体で気持ちよくなってるのならいいや。
「お、おくっ、いい……い、いい! イ、っちゃ、う!」
「ああ……俺も、イく……!」
「ふ、あ、あぁあ!」
「っ!」
最奥で、エルの熱が弾けた。それに応えるように、俺も背を大きく反らして達した。
ドクンと脈打って、吐き出されるそれの熱さに俺の体も震える。
全身がまだ痺れる。震えが止まらない。
エルが呼吸を整えながら、俺の口元に手を伸ばしてきた。飲み込む余裕がなくて溢れ出た唾液を拭ってくれたようで、エルの濡れた手を見て恥ずかしくなった。
ああ。終わりだ。これが、最後だ。
最後。
「……ゃ」
「イオリ?」
「……っ」
「っ、な!?」
俺は再び、腰をゆっくり動かした。俺のナカでまだ硬いエルのそれは、すぐに元気になった。
まだ、終わりたくない。
俺から終わりにしに来たのに、矛盾してるかもしれないけど。
これが最後なら、もう少しお前を感じたい。
「まだ、できるだろ……」
「……そうだね。もっと、君が欲しいよ。イオリ」
それからもう一度、俺たちは熱を貪り合った。
このまま、この時間が永遠に続けばいいと願いながら。
体中の欲をすべて吐き出すほどに、何度も、何度も。
ーーーー
「……絶倫か、お前は……」
力の入らない体をどうにか浮かせて、エルのモノを抜いた。奥から吐き出されたものが零れるのが分かる。どれだけ出したんだってくらい、メチャクチャ溢れ出てくる。
「だって君が誘ってきたんだよ」
「……うっせぇ」
カッコ悪いな。今回は俺がしっかりリードするつもりだったのに。
でも、いいか。コイツを満足させるって目的は達成したんだ。
もうこれで、終わりに出来る。
「……エル」
「なに?」
「約束通り、これで最後だ」
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