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抜け駆け厳禁
「ねー! 今日、相馬と朝生徒会で勉強したってホント?」
昼休みになるなり、隣のクラスからやってきた朝比奈と黄瀬に囲まれていた。
「ああ、朝自習室借りようとしたら満室で声掛けて貰ってさ。」
「まぁ、この時期になるとすぐ埋まっちゃうもんな。」
「それ知らなかったらさー、時間無駄にするとこだった」
「ってかさー、ずるいんですけど!」
うわ!いきなりイケメンのドアップ来た!
やっぱ、こいつ主人公なだけあって整ってるよなぁ。
「じゃあ、ハルも一緒に勉強する?? リョウも一緒にどう?」
机の上に身を乗り出してきた朝比奈に思わず声をかけてしまったが、いつの間にか朝比奈のうしろにいた相馬が何も言わないなら別に誘ったところで問題はないんだろう。
「あー、オレ朝はちょっと厳しいかもなぁ・・・。」
黄瀬が残念そうに言った横で、朝比奈も同じような顔になっていた。
「僕も、朝はちょっと苦手で・・・。」
「そっか。そしたら、放課後とかどう?」
「それなら!」
「オレも、予定ない日なら大丈夫だ!」
ん?朝比奈の後ろに何やら黒い気配が・・・
「今日の放課後、うちで勉強会するけど来る?」
「「行く!」」
おお!!? 相馬眉間にしわ!?え、何か余計な事言ったか??!
「相馬も構わないよな??」
「!! ・・・ああ。」
つい、伺う感じで聞いてしまったけど、このメンバーじゃ勉強にならなそうだもんなぁ・・・。相馬には悪いことしたかもな。
まぁ、今日はタイミング的に仕方ないってことで!
「ところで3人共、昼は?」
机の上に弁当を出した翼を見て、二人は慌てた。ここの購買は十分量を用意されているとは言え、昼の食堂、購買は戦場
「あ、オレ買ってくる!」
「僕も、買ってくるよ!!」
「オレは、弁・・・」
「翼君、お茶飲むよね!! 相馬一緒に行くぞ!」
「え?あ、うん。サンキュ」
相馬の手にあった弁当は、翼に渡され二人に引きずられる様に相馬は購買へ連れていかれた。
「ところで、今日二人で放課後も勉強会するつもりだったんだぁ・・・」
「ホント、意外と生徒会って暇なんすね・・・」
「・・・」
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