咲紀に言われて少し実感できた。 やたらと、兄に彼氏が出来たのか確認してくるのは、やはりここがBL世界だから。咲紀の友人の兄も年下の彼氏と恋愛をしているらしく、社会的にも同性婚が認められているらしい。 らしいというのも、つい最近認められる様になった事のようでゲーム中では卒業後の事は出てこなかったし、ニュースや新聞に出てた事はあまり気にしてなかった。　 しかも、今　医学的に同性での繁殖が可能になる様な研究もしているとか・・・。これに関しては、倫理的にも問題がまだあるからまだまだ研究途中だそうだ・・・。 そういった事から、一般的にも性別はあまり重要視されなくはなっている。 「・・・なんか、こんな世界観だったかな？」 なんかこう、繁殖がとか・・・。ちょっと生々しい感じがあるよなぁ。 全年齢のゲームって、キスすらしないんじゃなかったのか？ やっぱり、ゲームとはいえこの世界は存在してるのなら、告白して終わりではないんだな。告白のその後が続くんだな・・・ 自分は、朝比奈の恋愛をサポートするだけの立場だと思っていたけど、咲紀や他の人からしたら、恋愛対象も居てその後がある。そうなった時に、自分が求める理想ってなんだろう？将来の夢とかそういったものも持っていいのかも知れない。 誠だった時の将来の夢は、なんだったっけ。記憶が戻るまでの翼の夢はなんだったか・・・。ただ、どちらも漠然と両親みたいに仲良く一緒に入れる相手と結婚したいとだけ願っていた。 「折角、伝説の展望台があるんだし、そんな相手に出会えたら告白できるといいな。」 展望台の伝説は、この世界では絶対的なモノ そこで結ばれた二人は幸せになれる。だから、無理やり連れてくる事件が増えたりしたけど、そういった人達は皆逆に不幸にもなっている。まぁ、そこで告白できなくても、良い人に巡り逢えればいいな。 そういえば、一つやらかしたことがある。 同性同士でも、泊りの誘いは相手をみて言わないと誤解される事があるらしい。友達同士なら普通だと思っていたのでびっくりしたが、同性も恋愛対象なら仕方がない事らしい。 うちでの勉強会の話を咲紀に話したら、「レイプされなくてよかったね」と言われてゾッとした。あの時、三人が一瞬固まったのはそういう事が頭をよぎったからなのかも知れない。彼らなら、きっとそういった経験も望まなくても遭遇する事があっただろう・・・。 「オレ、危うくビッチ属性になるところだったのか・・・。気をつけよ」